埼玉新聞

 

突然の温かい寄付…青い車の女性、開所30年迎えた障害福祉施設に50万円渡して去る「幸せの青い鳥来た」

  • 女性から受け取った紙袋と30周年記念誌を手にする萩原さん=日高市栗坪の障害福祉サービス事業所「かわせみ」

 日高市栗坪で障害者の生活介護や就労支援を行っている障害福祉サービス事業所「かわせみ」。開所30周年を迎えた4月、施設を訪れた匿名の女性から現金50万円の寄付を受けた。

 突然寄せられた温かい善意に施設長を務める萩原政行さん(66)は「女性は青い車に乗っていたので、幸せの青い鳥が飛んで来たようだった」と振り返った。

 寄付をした女性が施設を訪れたのは4月16日の午前8時半ごろ。職員2人が出勤したところ青い車に乗って施設を訪れた女性が「施設長さんに渡してください」と紙袋を手渡した。

 受け取った職員は施設長の萩原さんに紙袋を渡し、萩原さんが中身を確認すると封筒が入っており、「30周年おめでとうございます」と記された一文と50万円が入っていた。萩原さんはすぐに外に出たがすでに女性の姿はなかったという。

 萩原さんは「30年間一度もこういったことはなかったので頂いていいものなのか」という思いもあった。

 女性が「匿名でお願いします」と話したことから「お礼をしたいのだけれど誰だか分からないんですよね」と萩原さんは話し、他の職員にも心当たりはなかった。

 女性から寄付を受けたことは5月11日に行われた施設利用者の保護者会でも報告された。萩原さんが「幸せの青い鳥がやって来ました」と話し、女性から50万円の寄付を受けたことを報告すると、「50万円もですか」などと一様に驚いた様子だった。

 「かわせみ」では今年2月に施設の活動をまとめた30周年記念誌を発行。利用者の家族や職員、地域でお世話になっている住民などに配布。

 萩原さんは「おそらく寄付をしてくれた女性は『かわせみ』が普段から地域に根付いていることを知っていて、理解を示してくれている方ではないか」と考えている。「お金は大事に使わせていただく。これからも『かわせみ』を見守り続けていただければ」と感謝している。

ツイート シェア シェア