給食が提供できず…調理業者の入札が不成立で 埼玉の特別支援学校 2回にわたって成立せず、今月中旬に3回目予定 10月末までは仕出し弁当の提供で対応
埼玉県深谷市本田の県立深谷はばたき特別支援学校で、給食調理を行う事業者の入札が2回にわたり成立せず、4日から給食が提供できなくなることが明らかになった。人手不足や入札価格が県の予定価格を上回ったことが要因という。同校には3日現在、児童・生徒計263人が在籍しており、県教育委員会は11月1日からの給食再開を目指して9月中旬に3回目の入札を予定。10月末までは仕出し弁当の提供で対応するとしている。
県教委によると、給食調理の事業者への委託は、夏休みを準備期間とする関係で、8月から2年後の7月末までを契約期間として入札を行っていた。これまで委託していた事業者が今年7月末で契約満了になるため、7月15日に1回目の入札を実施。しかし、1社しか応札せず、提示された入札価格が7千万円で県の予定価格を上回り、再度入札で辞退となった。
積算の見直しや事業者への周知を行い、8月6日に2回目の入札を行ったが、入札価格が6800万円で予定価格と見合わず、再度入札で再び事業者が辞退した。応札した業者は1回目と同じだった。県教委は、これまで契約していた事業者に対応を交渉したが、8月21日に仕出し弁当の提供による対応を決定した。
入札に参加しなかった事業者に対して県教委が聞き取りを行ったところ、不参加の理由は人手不足であることが分かった。県教委は、事業者が人員を確保するにも、不成立だった2回の入札は入札日から契約開始までが約2週間ほどで、事業者が体制を整えることは困難だと判断。9月中旬に行う3回目の入札では、遠方から人員を手配するコストなども考慮して予算を見直し、10月末までの約1カ月を準備期間として確保することで、入札に参加する事業者数の増加を目指す。
保護者に対しては、8月8日に入札不振の状況をメールで通達。同25日に保護者会を開き、同校に通う児童生徒や保護者に対し、10月末まで給食の提供が難しいことを説明した。保護者からは、「食器が替わると、ご飯を食べられなくなるかもしれない」「これからも温かいご飯が食べられるのか心配」といった声が寄せられたほか、3回目の入札で決まるのか不安の声もあったという。
県教育局保健体育課によると、他校の入札では2回目までに事業者が決まり、残っている5年分の資料をさかのぼっても事業者が決まらなかった前例はない。同課は「子どもたちの健やかな成長を支える給食の重要性を改めて認識し、一日でも早く給食が提供できるように最善を尽くす」とコメントし、児童生徒それぞれの状況に合わせて、学校側で丁寧に対応するとしている。










