埼玉新聞

 

学校給食の自校式→センター化に反対 署名が1万筆以上、市民グループが会見 埼玉・上尾 給食を複数のセンターに集約の計画 「食育のためにも自校方式を考えるべき」

  • 学校給食のセンター化に反対する「学校給食費無料化をめざす上尾みんなの会」の記者会見=上尾公民館

    学校給食のセンター化に反対する「学校給食費無料化をめざす上尾みんなの会」の記者会見=上尾公民館

  • 学校給食のセンター化に反対する「学校給食費無料化をめざす上尾みんなの会」の記者会見=上尾公民館

 埼玉県上尾市が進める学校給食センター化に反対する市民グループ「学校給食無料化をめざす上尾みんなの会」は26日、市内で記者会見を開き、市民から署名約1万1千筆を集め、来月にも畠山稔市長と西倉剛教育長宛てに提出すると明らかにした。

 同会は2020年に発足。給食の完全無償化を求める活動をしてきたが、24年5月、市が「学校給食施設基本計画(素案)」で現在の自校方式から小中学校合同給食センターへの転換方針を打ち出したことから、自校式給食を守るための取り組みを開始した。同会では「センター化では、子どもたちに温かくおいしい給食を提供することが難しい。食育のためにも自校方式を考えるべき」と訴えている。

 市によると、学校給食施設は小学校22校のうち20校が建設から40年を経て老朽化が進んでいる。洗い場と調理室を障壁で仕切る、空調設備を備えるなどを決めた国の安全衛生管理基準にも適合していない。調理員不足や三槽シンクが設置できない調理室の狭さなども課題だった。そのため、施設の更新が急務として安全安心な給食の提供や将来にわたって安定した体制を整えるなどを基本方針にした基本計画を今年1月決定した。

 計画では、自校方式の小学校22校、一つのセンターと自校調理の独自方式で行っている中学校11校の給食を複数のセンターに集約するとし、本年度から3年間で用地の選定、民間事業者の導入の検討も含め、事業決定をしていく予定。

 これに対し同会は、用地取得の費用や建設費、人件費の高騰、配送業務の運用などセンター化による経費増を挙げる。11年に新築した市立富士見小学校を例に、国の補助金を利用した改築を提案する。中西百合子代表は「自校給食を守りたいという児童生徒、保護者の願いが1万筆の署名。市民の声を聴いてほしい」と話している。

ツイート シェア シェア