埼玉新聞

 

まさか…こんな大きい火事が 本庄の利根川右岸、河川敷の枯れ草が広範囲に燃える 煙と焦げ臭いにおい、周辺に充満…音を立て土手を駆け上がる火の手、住宅から100メートルにまで迫る 夕方に鎮圧

  • 燃え広がる河川敷の火災と消火活動を行う消防隊員

    燃え広がる河川敷の火災と消火活動を行う消防隊員=24日午後4時半ごろ、本庄市内

  • 【地図】本庄市

    本庄市の位置

  • 燃え広がる河川敷の火災と消火活動を行う消防隊員
  • 【地図】本庄市

 24日午前11時5分ごろ、本庄市仁手の利根川右岸河川敷で、煙が上がっているのを通行人の20代男性が発見し、110番した。

 児玉郡市広域消防本部によると、現場は埼玉県と群馬県を結んで利根川に架かる坂東大橋から200~400メートルほど下流の地点。この付近を西端に、下流側へ向かって枯れ草が広範囲に燃えたという。消火活動は同消防本部などのほか、県防災航空隊のヘリも加わって陸と空から夜まで続いた。

 本庄署によると、火災は同日午後6時19分に鎮圧が確認された。この火災による負傷者は今のところ確認されておらず、類焼もないという。

■煙と熱風が充満 周辺の住宅に迫る

 利根川右岸河川敷の火災は、懸命な消火活動にもかかわらず燃え広がり、一時は住宅から100メートルほどまで迫った。周辺には煙と焦げ臭いにおいが充満。土手を駆け上がる火の手はメラメラと音を立て、熱風は時折、様子を見守る人々の所まで届いた。

 火災は当初、下流へ向けて広がっていったというが、風向きが変わったためか、その後は上流方面にも拡大した。坂東大橋たもとの下流側堤防では、頭頂部付近まで延焼。サイクリングロードのアスファルトが防火帯の役目を果たし、堤外にある住宅の方へ及ぶのを辛うじて免れた。近くに住む50代女性は「いつの間にか、わが家の近くまで火が来ていた」と心配する。

 周辺住民の70代男性は、「自宅で寝ていたら煙くて目覚めた。まさか、夏の河川敷でこんな大きい火事が起きるとは」と驚く。遠巻きに見ていた通りがかりの男性は、「火災は恐ろしいですね」と言う。本庄市の吉田信解市長も現場に駆け付け、「防災行政無線で避難を呼びかける放送をした。消火活動の応援も要請している」と話した。

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