埼玉新聞

 

ヤオコーとしまむらで社名変更前に使われていた印半纏も 装いから見える「時代」 埼玉・比企9市町村の巡回文化財展

  • 古代の人々のファッションが感じ取れる人物埴輪も展示している巡回文化財展=20日、嵐山町ふれあい交流センター

    古代の人々のファッションが感じ取れる人物埴輪も展示している巡回文化財展=20日、嵐山町ふれあい交流センター

  • 古代の人々のファッションが感じ取れる人物埴輪も展示している巡回文化財展=20日、嵐山町ふれあい交流センター

 比企地域9市町村で開催する巡回文化財展「比企のタイムカプセル」が嵐山町のふれあい交流センターで始まった。比企地区文化財振興協議会などの主催で2000年度から始まり、今回で24回目。「比企の装い」をテーマに、衣装や装身具などの考古学や民俗資料を展示している。嵐山町では24日までで、その後各市町村を巡回する。

 今回の展示品は、比企地域の縄文~古墳時代の遺跡の出土品や、近現代の衣服など約40点。嵐山町の行司免遺跡などで発掘された土製耳飾りは、ピアスのように耳たぶに穴を開けてはめ込んでいたと考えられている。弥生時代の銅製の腕輪や、役人が着けた腰帯(ベルト)の飾りの一部なども展示されている。また、当時の髪型や衣装、耳飾りや首飾りを着けた様子が分かる人物埴輪(はにわ)や土偶も並んでいる。

 近現代の民俗資料では、小川町で創業した「ヤオコー」と「しまむら」で社名変更前に使われていた印半纏(しるしばんてん)や、戦時中に憲兵が使っていた防寒着、消防団の法被なども紹介されている。

 同協議会会長で滑川教育委員会の杉浦直樹さんは「それぞれの装いから、その時代の人々のおしゃれ心や日常生活などを感じ取ってほしい」と話していた。

 巡回展の会場と開催期間は以下の通り。

 嵐山町ふれあい交流センター(24日まで)
▽東秩父村和紙の里ふるさと文化伝習館(26~31日)
▽東松山市埋蔵文化財センター(9月2~7日)
▽鳩山町多世代活動交流センター(9月9~14日)
▽ときがわ町アスピアたまがわ(9月17~21日)
▽川島町役場(9月23~28日)
▽小川町立図書館(9月30日~10月4日)
▽滑川町エコミュージアムセンター(10月7日~11日)
▽吉見町埋蔵文化財センター(10月15~19日)
▽県立嵐山史跡の博物館(10月21日~11月24日)

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