乳児背負い、長女抱いて必死に逃げた母…旧ソ連軍の侵攻で暮らしが一変 母が語った樺太での苦難の体験を小説に 埼玉・上尾の山口さん 96歳で亡くなるまで息子に樺太のことを話し続けた母
2025/08/20/07:39
終戦直前の1945年8月11日、当時日本領だった樺太(サハリン)は、日ソ中立条約を一方的に破棄した旧ソ連軍に侵攻された。樺太生まれで当時生後6カ月の山口靖史さん(80)=上尾市=ら家族の暮らしは一変した。樺太と北海道を隔てる宗谷海峡を渡る船はなく、旧ソ連に占領された樺太に残留せざるを得なかった。小説サークル代表の山口さんは、母親が語った苦難の樺太体験を「閉ざされた宗谷海峡」という題名で小説にした。作品は2020年の第51回埼玉文芸賞(県、県教育委員会主催)で準賞を受賞。山口さんは「母親の体験を引き継いで樺太での苦難を書き残せた。母親との合作」と語る。










