復旧費などに41億円 蕨戸田ごみ処理施設火災 火災は7月に発生、来年3月の再開目指す 原因不明も「リチウムイオン電池が原因だった可能性は排除できない」
蕨戸田衛生センターで7月、ごみ焼却施設が焼けた火災について、同センター組合管理者の頼高英雄蕨市長と副管理者の菅原文仁戸田市長は18日会見し、施設復旧費や他の自治体などへのごみ処理委託費が現時点で計41億円に上ることを明らかにした。出火原因は現場調査では不明としつつ、頼高市長は「リチウムイオン電池が原因だった可能性は排除できない」とし、再発防止策が必要との考えを示した。
火災は7月12日正午ごろ、戸田市美女木北の蕨戸田衛生センターの粗大ごみ処理施設地下1階、破砕物排出コンベヤー付近で発生した。13日昼前に鎮火したが、床面積553平方メートルが焼けた。けが人はなかった。
施設全体の電気系統設備が大きく損傷し、焼却施設などが使用できなくなったことからセンターはごみの受け入れを中止し、蕨、戸田市はごみ収集所での収集を一時取りやめた。7月17日から再開し、受け入れと処理を他の自治体などへ委託している。
費用の内訳は、来年3月までの他自治体などへのごみ処理委託料が約18億円、建物の火害調査など復旧にかかる委託費は約1億8500万円、ごみ焼却施設復旧工事費が約21億1200万円。ごみ焼却施設復旧工事費には「災害復旧事業債」を充当するとし、ごみ処理委託料や焼却炉の復旧工事に要する費用は現在までに約41億円と見込まれている。
組合は来年3月から、ごみ焼却施設(3炉)を順次稼働させることを目標に復旧工事を実施。火元とみられる粗大ごみ処理施設の復旧工事については、整備の在り方を検討する。
また、学識経験者らを構成メンバーとした事故調査検証・再発防止対策のための会議を設置し、来年1月をめどに事故検証報告書を作成する。組合は今月20日に開く議会に関連議案を提出する。
頼高市長は会見で「今後とも他の自治体の協力をいただきながらごみの収集処分を円滑に進め、施設の早期復旧に全力で取り組む」、菅原市長は「火災に対応いただいた皆さま、収集停止にご協力いただいた市民、近隣自治体の皆さまに感謝申し上げる。一日も早い復旧に向け対応する」と話した。










