終戦前夜にあった熊谷空襲の犠牲者を慰霊し、恒久平和を願う「星川とうろう流し」が16日、熊谷市の市街地を流れる星川で行われた。灯籠流しは1950年に始まり、今年で第76回。80年前の戦災に思いをはせる鎮魂の灯が、夕暮れの川面を彩った。

　45年8月14日の深夜に始まった熊谷空襲では、米軍機から投下された焼夷（しょうい）弾で市街地の約3分の2が焼失し、266人が命を落とした。行事は現在、地元の関係者らでつくる実行委員会が開催。市立富士見中学校、荒川中学校の生徒が、灯籠作りや販売を手伝うのが恒例となっている。

　式典では、市仏教会の住職による練り供養などに続き、実行委員会の藤間憲一会長（79）が「担い手の高齢化により継承が課題だが、今年は若い皆さんが自発的に参加していただいた」とあいさつした。