埼玉新聞

 

みずみずしくて甘いブルーベリー「ぜひ味わって」 国内有数の産地、美里の観光農園で摘み取り始まる

  • 摘み取りが始まったブルーベリー

 国内有数のブルーベリー産地、美里町で今年の早生種の摘み取りが始まった。同町中里の観光農園「ファームてんとうむし」は約3900平方メートルの農地の約3割でデューク、オニールなどの早生種を栽培。ふっくらと実った青紫色の果実に、農園主の小川幸子さんは「寒さのためか今年は生育が1週間ほど遅いが、果実はみずみずしくて甘い。ぜひ味わって」と、多くの訪れを心待ちにしている。

 かつて盛んだった養蚕で桑畑として使われていた耕作放棄地を活用し、同町は1999年、ブルーベリーの生産に着手。現在、町内全体のブルーベリー栽培面積は約35万平方メートルで国内トップクラスを誇るまでに根付いた。町内に約百軒ある生産農家のうち、観光農園は21軒で、美里観光農園の会(徳世保孝会長)を組織して毎年、摘み取りによる販売促進を展開している。

 「ファームてんとうむし」は今年2月、前農園主の雷坂幸男さんが93歳で亡くなり、今季から娘の小川さんと(小川さんの)姉の小山京子さん、姪の恵さんの3人で再出発となった。小川さんは「約600本を栽培しているが、枝を切る剪定や土づくりで実の大きさや味が変わってくる。父に負けないように情熱を傾けたい。今年は摘みたての果実を使い、濃厚なスチームジュースづくりも企画しています」と目を輝かせている。

 ブルーベリーは7月中旬までが早生種で、以降の8月下旬までは晩生種と多様な品種があり、美里町の摘み取りも長い期間楽しめる。早生種の摘み取り料金は、基本プランが入園料300円、摘み取り料1キログラム当たり1800円など。問い合わせは、観光農園専用ダイヤル(電話090・8890・8517)へ。

ツイート シェア シェア