4人死亡…エアラインマスクがなかったのは「現場の判断」 会社が説明 1人がマンホール転落、助けようとした3人…確約した安全帯をしなかった理由「そもそも防護服を着ていなかった」「緊急ですぐに入ったと思う」
2025/08/06/07:44
行田市長野で2日、下水管点検作業員4人がマンホールに転落して死亡した事故で、作業を行った下水道調査会社「三栄管理興業」(さいたま市浦和区)は5日、事故当時に作業員が地上から空気を送るマスクを着用していなかったことについて、「現場の判断だった」と明らかにした。
三栄管理興業は、報道各社からの質問に文書で回答。「エアラインマスクを用意することはルールとなっている」とし、7月に同じ場所で作業した際、硫化水素濃度に問題がなく、使用しなかったため持っていかなかったとした。
同社の説明では、亡くなった4人はいずれも安全帯を装着していなかった。同社は6月、安全帯などの保護具の使用を確約する事業計画書を市へ提出しており、「適切ではなかった」との見解を示した。安全帯はビニール製の「防護服かっぱ」の上に装着するもので、熱中症対策として作業直前まで防護服を着ていなかったため、安全帯も着けていなかったとした。
同社によると、1人目の作業員がマンホールに入る際には、硫化水素の濃度は国が定めた基準値(10ppm)以上であることを知らせる測定器の警報が鳴らなかったため、作業を継続。助けに入ったほかの3人が転落した直後には基準の15倍超えの濃度が検知されたという。3人は事故当時、作業前や現場に着いた直後で、「そもそも防護服を着ていなかった」「緊急性を感じ、すぐにマンホールに入ったと思う」とした。
県警によると、4人の死因は硫化水素中毒や窒息だった。県警は当時の詳しい経緯を調べるとともに、業務上過失致死などの事件や事故の両面で捜査する方針。










