埼玉新聞

 

全国初、れんが焼いた窯の中に飲食スペース 東京駅などにれんがを供給…日本初の大規模な機械式れんが工場「ホフマン輪窯6号窯」 新たな観光拠点へ 深谷市、事業者を募集

  • 保存修理工事が完了し、飲食店事業者を募集するホフマン輪窯6号窯

    保存修理工事が完了し、飲食店事業者を募集するホフマン輪窯6号窯=7月31日午後、深谷市上敷免

  • 保存修理工事が完了し、飲食店事業者を募集するホフマン輪窯6号窯

 深谷市は2018年度から実施してきた同市上敷免の旧煉瓦(れんが)製造施設「ホフマン輪窯6号窯」(国指定重要文化財)の保存修理工事を5月に終え、報道機関向けに保存修理工事完了特別披露会を7月31日に行った。市は窯に隣接して管理活用棟の建設を予定しており、市の新たな観光拠点として、展示エリアのほか、全国で初めてれんがを焼いた窯の中に飲食スペースを整備し、27年度にオープンを目指している。

 旧煉瓦製造施設は同市出身の実業家渋沢栄一が中心となり、日本煉瓦製造株式会社として市で操業を始め、東京駅などにれんがを供給し、日本の近代化を支えた日本初の大規模な機械式れんが工場。市は文化財の価値を高めるとともに、栄一関連施設と連携した地域活性化を促進するため、施設の保存と活用に取り組んでいる。

 保存修理工事は遺構の調査や補修、ホフマン輪窯と煙突の外側を鉄骨で補強し、窯内部の価値を損なわない方法を用いて耐震補強を実施。今後は管理活用棟の建設を進める。日本の歴史をつくった文化財で、明治の文化を追体験できる「食と憩いの場」をコンセプトに、重要文化財の窯内という非日常的空間で食事をしながら、思い出になる特別な時間を演出できる事業者を公募型プロポーザルで募集する。

 参加申し込み期間は11月28日まで。1次審査(書類審査)は12月15日、2次審査は来年1月30日、契約締結は同2月ごろを予定している。

 市文化振興課は「深谷の新たな観光拠点になるので、多くの事業者に応募してもらえれば」と話した。

 問い合わせは、同課(電話048・577・4501)へ。

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