埼玉新聞

 

埼玉初!文科省が指定“多様化学校”いろどり学園、さいたま市に来春開校へ きょう1日から申し込み開始 市内6カ所のキャンパスで開校予定

  • プレ開校の授業をオンラインで配信する先生=28日、浦和区のあいぱれっとキャンパス

    プレ開校の授業をオンラインで配信する先生=28日、浦和区のあいぱれっとキャンパス

  • あいぱれっとキャンパスの教室の様子(さいたま市教育委員会提供)

    あいぱれっとキャンパスの教室の様子(さいたま市教育委員会提供)

  • プレ開校の授業をオンラインで配信する先生=28日、浦和区のあいぱれっとキャンパス
  • あいぱれっとキャンパスの教室の様子(さいたま市教育委員会提供)

 さいたま市が来年4月に開校する「いろどり学園小学部・中学部」の転入申し込みの受け付けが1日、開始される。同校は県内で初となる、文部科学省指定の「学びの多様化学校」の一つ。不登校の児童生徒数が年々増加する中、自由に選べる座席や通いやすい登校時間、オンライン授業といった工夫で、受け皿となることを目指す。

 さいたま市教育委員会によると、同市の不登校の児童生徒数は、2020年1376人▽21年1390人▽22年2103人と増加し、23年は2677人で過去最多だった。

 全国的に増加していることから、文部科学省は不登校の実態に配慮した特別な教育を実施する学校を「学びの多様化学校」に指定し、将来的に全国で300校の設置を目指している。

 その一つとして「いろどり学園小学部・中学部」が来年4月、市内6カ所のキャンパスで開校する。対象は、市内在住で過去に学校を30日以上欠席している児童生徒。小学1年生から中学3年生までが同じ教室に集まり、タブレット端末を使用して、オンラインで配信される各学年の授業を受ける。

 開校を前にした7月22日~8月8日、6キャンパスでプレ開校が行われ、約220人の児童生徒から申し込みがあった。

 28日のあいぱれっとキャンパス(浦和区)。教室には円卓や窓際のカウンター席、パネルで仕切られたブース席が用意され、自由に選べる。午前9時半までに12人が登校。ホームルーム後にタブレット端末で授業を受けた。発言する際には挙手ボタンを押して意思表示したり、チャットでメッセージやスタンプを送ることで先生や仲間とのコミュニケーションを取ったりしていた。

 プレ開校の先生を務めた、さいたま市教育委員会の松本真治さん(42)は「学習意欲が高く、1日5こまの授業へ前向きに取り組んでくれている」と手応えを語る。一方で低学年の場合はキーボードで文字を入力することが難しい子もおり、「みんなが参加しやすい工夫が必要」と述べた。

 市教委によると、義務教育のため本開校後は登校が原則だが、調子の悪い時などは自宅からのオンライン参加もできるよう配慮する。また、体育や美術など実技に関する授業は週に一度、学年ごとに指定キャンパスに集まっての実施を検討しているという。

 転入希望者の申し込み受け付けは1~29日。プレ開校に参加していない場合も申し込み可。担当者は「定員は300人だが、希望者が通えるようになるべく調整したい」としている。

 問い合わせは、市教委総合教育相談室(電話048・688・1453)へ。
 

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