埼玉新聞

 

響くサイレン、防災無線 住民に不安…狭山で55歳男性撃たれ死亡 拳銃所持か、犯人は依然逃走中

  • 発砲事件があった現場の周辺を調べる捜査員ら=7日午前、狭山市広瀬台1丁目

    発砲事件があった現場の周辺を調べる捜査員ら=7日午前、狭山市広瀬台1丁目

  • 発砲事件があった現場の周辺を調べる捜査員ら=7日午前、狭山市広瀬台1丁目

 6日午後7時15分ごろ、狭山市広瀬台1丁目のマンションの住民の30代女性から「夫が拳銃で胸を撃たれて意識がない」と119番があった。警察官や救急隊員が駆け付けると、住民の無職男性(55)がマンション敷地内の駐車場で上半身から血を流してうずくまっていて、救急搬送され、治療を受けていたが、約5時間後に死亡した。

 県警は男性の上半身に銃創があったことなどから拳銃で撃たれたとみて、殺人事件と断定。7日、狭山署に75人態勢の捜査本部を設置し、本格的な捜査を開始した。

 捜査関係者によると、死亡した男性は暴力団関係者とみられるという。捜査本部によると、男性は家族4人で外出先から戻ってきて車から降りた後に撃たれたとみられる。犯人が待ち伏せした可能性もある。近隣住民の通報などから発砲は複数回あったとみられ、男性の上半身には複数の銃創があった。

 捜査関係者によると、銃声が聞こえた後には黒っぽいバイクに、黒色のフルフェースのヘルメットをかぶり、ジャンパーを着た人物が、現場から立ち去る姿が付近の防犯カメラに映っていたという。

 捜査本部は、犯人が発砲後に拳銃を持ったまま逃走している恐れがあるとして、防犯カメラの映像や付近への聞き込み、関係者聴取などを実施し、行方を追っている。

■「バン、バン」乾いた音

 現場は西武新宿線狭山市駅の北西約2キロの住宅地。近くには武蔵野学院大学や高齢者福祉施設、保育園などがあり、北側には工場なども立つ。

 近くの住人は「バン、バンと4発から5発ぐらい、乾いた音が聞こえた。その後で救急車などのサイレンの音が聞こえてきた。警察から外に出ないように言われ、家にいた。こんな事件が起こるとは驚いている」と振り返る。

 事件を受けて狭山市は6日夜、「拳銃のようなものを持った不審者が逃走している」として、玄関や窓を施錠し外出を控えるよう防災行政無線や交流サイト(SNS)などで呼びかけた。

 70代男性は「サイレンの音が頻繁にしていた。やはり怖い。外出は控える」。70代女性は「防災行政無線で最初は行方不明者かなと思ったが、事件と聞いてびっくりした。普段は静かで何もない所」と困惑した様子だった。

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