埼玉新聞

 

耳がぴょこん「ウサギだるま」 伝統×現代アートの華やか18体、正月彩る イオンレイクタウンで9日まで

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 江戸時代から続く越谷市の伝統工芸品「越谷だるま」を芸術品に見立てて装飾した「越谷だるまアート」が9日まで、同市のイオンレイクタウンに展示されている。今年のえとであるウサギをイメージしただるまも登場。正月を色鮮やかに、明るく祝っている。

 同市だるま組合の協力で21年から始まり今回で3回目。デザイナーの花房茂さんが毎年、意匠を凝らしただるまを紹介している。

 展示のだるまは5段飾りで、富士山をイメージした三角形のレイアウトで並べた。だるまは最上位の直径72センチから5段目の直径37センチまで計18体。今年の新作を3段目に配置した。中央には純白が基調で耳を添えたえとのウサギだるま。胸の部分に「卯(う)」の文字を金色で描き、かわいらしいウサギのイラストを随所に添えた。その両隣には和モダンをイメージした風神雷神だるま。竜巻や豪雨などの自然災害から、越谷市を守ってもらう願いを込めた。

 そのほかに歌舞伎の隈(くま)取りや日の丸をデザインしただるまも登場。赤と白をバランス良く置き、正月を祝う紅白をイメージした。

 色白で端正な顔立ちが昔から人気の越谷だるまだが、後継者不足などが影響し、職人の数は次第に減少。市経済振興課によると、最盛期は市内に10軒以上の事業所があったが、現在は3軒のみに減少している。そんな中、花房さんは越谷の文化を未来に継承して地域活性に結び付けようと、だるまアートを企画。伝統工芸に現代アートを吹き込む新しい切り口で、越谷だるまの魅力を発信し続ける。

 花房さんは「ウサギの跳躍する姿から飛躍や向上を象徴し、ウサギ年は新しいことに挑戦する最適な年。耳を立てて情報を積極的に取り入れ、皆さま平穏で素晴らしい年になってほしい」と話している。

 展示はイオンレイクタウンmori2階の豆の木ステージ(センターブリッジ付近)。

 問い合わせは、花房さん(電話090・9106・7643)へ。

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