埼玉新聞

 

ご近所同士で銅線窃盗 被害総額は2000万円超、埼玉など5県で約130件 容疑の男2人を追送検

  • 押収したケーブルや銅線を切るためなどに使うカッターなど=13日午後、加須署

    押収したケーブルや銅線を切るためなどに使うカッターなど=13日午後、加須署

  • 押収したケーブルや銅線を切るためなどに使うカッターなど=13日午後、加須署

 太陽光発電施設内から銅線を盗んだとして、県警捜査3課と加須署、羽生署は13日、窃盗などの疑いで、茨城県五霞町元栗橋、無職の男(58)と同町居住の無職の男(48)=いずれも窃盗罪などで公判中=をさいたま地検に追送検した。県警は、埼玉など5県で発生した窃盗事件など136件(490点、被害総額約2263万円)を確認。うち131件(478点、同約2166万円)を追送検し、捜査を終結した。

 追送検容疑は、2020年8月下旬ごろから今年6月14日までの間、共謀するなどして埼玉、栃木、群馬、茨城、千葉県内の太陽光発電施設敷地内など91カ所から銅線等478点(時価合計約2166万円相当)を盗んだ疑い。

 20年4月ごろから県東部を中心に銅線が盗まれる被害が散発。現場付近の防犯カメラから2人が浮上し今年4月27日に使用車両や防犯カメラの精査から犯行を特定した。県警は同日から28日にかけ、加須市大越の太陽光発電施設内から銅線約8・3メートルを盗んだ窃盗容疑で逮捕するなど、これまで5件を立件していた。

 捜査3課によると、2人は近所に住む知人。58歳の男が主導で現場までの車の運転のほか犯行場所の選定や窃取行為、共犯の男が現場の見張りや盗品の積み込みを担っていた。主に人けがなく、防犯カメラの手薄な場所に設置された太陽光発電所を深夜の時間帯に狙い、電力ケーブルを番線カッターで切断するなどして銅線を持ち去っていた。被害場所は県内が57件、茨城が43件と多く、市町村別では加須市が42件と最多だった。

 窃取した銅線は、県内などの金属リサイクル業者2社に売却して現金化。約300万円を山分けしていたとみられる。2人は「遊興費や生活費のために銅線を盗んだ」と容疑を認めているという。

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