埼玉新聞

 

怒られた人、エスカレーターで右側ベルトにつかまり…じつは左半身麻痺 埼玉は「左右両側で立ち止まろう」

  • 「エスカレーターでは立ち止まろう」などと記されたタスキをかけて、安全利用を呼びかけるチラシを配布する参加者ら=東武東上線志木駅南口

 エスカレーターは立ち止まって利用することを義務付けた全国初の県条例「エスカレーターの安全な利用の促進に関する条例」が昨年10月に施行されてから1年が経過する中、改めてエスカレーターの安全利用を周知しようと、新座市と同市議会有志ら、同市の障害者支援団体「キャベツの会」(荻原伊佐夫会長)は、東上線志木駅南口と同駅前の大型スーパー「イオン新座店」などで、市民らにチラシを配布するなど安全利用を呼びかけるキャンペーンを行った。

 参加したのは並木傑市長をはじめ同市議会議員の有志と地元選出県議、キャベツの会会員ら計約50人。

 参加者らはエスカレーター前で利用者らに「左右両側に立ち止まろう」「片側の手すりにしっかりつかまることができない人も利用しています」などと記述されたチラシやティッシュペーパーを手渡し、「エスカレーターでは止まりましょう」などと声をかけていた。

 キャベツの会の事務局木村俊彦さんは「左半身が麻痺している障害者が右側でベルトにつかまっていると怒られるんです。条例は施行されたが、罰則規定はなく、当事者が声を挙げないといけないと思っています。皆さんの意識が変わらないと、状況は変わりません」と訴えている。

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