オンラインで夜間診療 埼玉・秩父地域の1市4町 きょう7月1日から内科・小児科 予約なしでスマホを通して医師と対話 救急医療体制を充実、埼玉の自治体で初めて
2025/07/01/09:06
秩父地域1市4町の首長や医療機関、医師会などで構成する「ちちぶ医療協議会」(会長・清野和彦秩父市長)は6月30日、救急医療体制を充実させるため、夜間オンライン診療窓口を7月1日から開設すると発表した。秩父地域の住民は、病院に行かなくても予約なしでスマートフォンを通して医師と対話し、内科・小児科の診療を受けることができる。市によると、オンライン診療を開設するのは県内自治体で初めて。
秩父地域の人口約9万人に対し、7病院で構成する秩父医療圏は、医療従事者の不足が深刻化しており、4月からは、夜間の重症患者を曜日交代で受け入れる「2次救急輪番制」を秩父市の市立病院と皆野町の皆野病院の2病院で維持している。
救急搬送や通院の負担軽減を図るため、ちちぶ医療協議会は6月にオンライン診療を行うファストドクター社(東京都渋谷区)と業務委託契約を締結した。契約は年単位で更新し、本年度の運営費は約1千万円。
1日から始まる夜間オンライン診療は、毎日午後7時~翌午前8時まで開設され、利用者の発熱、せき、喉の痛み、吐き気、頭痛などの症状に対し、ファストドクター社と提携する都内のクリニックの医師がオンラインで対応する。早急に検査や処置が必要な場合は、救急車や救急病院での対面受診につなげる。
診察料は通常料金に加えて330円のシステム利用料が必要。保険が適用され、子ども医療に関しては各市町に申請することで医療費が無料になる。薬は指定の調剤薬局や自宅に配送される。
清野市長は「秩父地域において、救急医療体制の維持は最重要課題。今回のようにさまざまな手法を用いながら、少しでも持続可能な医療を確立していきたい。新しい仕組みを住民に浸透させるため、今後PR強化に努める」と話した。










