埼玉新聞

 

父の死が転身の契機…熊谷のイラストレーター・ことなさん、2種類のポスター作製 戦争や病気、大変なことがたくさん起きている…平和を願い、どちらも地球を中心に描く

  • 新たにデザインした2種類のポスターと、ことなさん

    新たにデザインした2種類のポスターと、ことなさん=13日、熊谷市仲町の八木橋百貨店

  • 新たにデザインした2種類のポスターと、ことなさん

 熊谷市出身、在住のイラストレーター、ことなさんが活動20周年を記念して、2種類のポスターを作製した。A0判サイズの作品は、同市仲町の八木橋百貨店に掲出。A2判のポスターは、全ての市立小中学校42校に贈呈した。ことなさんは「地球上では今、戦争や病気など、大変なことがたくさん起きている。どちらの作品も、平和を願って描いた」と思いを語る。

 ことなさんは、2005年に活動開始。熊谷市マスコットキャラクター「ニャオざね」をデザインするなど、地元を中心に多彩な作品を生み出してきた。4月からポスターの構想を練ったことなさんは、「まちの活性化や子どもの成長を考えたとき、平和であることが全ての基本。そこから、地球のイメージが浮かんだ」と言う。どちらの作品も、地球を中心に据えた。

 八木橋に掲示したポスターは、手紙を持った天使が地球の上を舞う。ことなさんは「デジタル化が進む時代だからこそ、メッセージをきちんと伝えなければ」と力を込める。学校に寄贈した作品には、日常の大切さをしたためた文章を画面下に入れた。「毎日を普通に過ごせる素晴らしさをかみ締め、大きな学びの中で楽しく成長していってほしい」との思いを託す。

 元中学校教諭の父の死が契機となり、イラストレーターに転身したことなさんは、20年間の歩みを「人との出会いが宝になった」と振り返る。目標については、「やりたいことがたくさんある。講演で子どもたちにも話しているが、夢は大小いっぱいある方がいい」と声が弾んだ。

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