目標を持って夢に挑んで 東京五輪の柔道金 ウルフ・アロンさん 埼玉・幸手の小学校で児童と交流 東京五輪でのエピソード披露も
東京五輪の柔道男子100キロ級で金メダルを獲得したウルフ・アロンさん(29)が17日、幸手市立行幸小学校(栗城敦志校長、児童数261人)で講演した。柔道を始めたきっかけから引退に至るまでの経緯をユーモアを交えて振り返り、「いろいろなことに挑戦し、目標を持とう」と呼びかけた。柔道の実演では子どもたちも参加し、世界を制した金メダリストの強さを体感した。
一流アスリートの生き方から、夢に向かって努力することの大切さ学んでもらおうと企画。全校児童や地域住民らが参加した。ウルフさんが県内の小学校で講演をするのは初めて。
東京出身のウルフさんは小学1年生の時、祖父の勧めで柔道を始めた。最初の練習でつまらないと思ったが、「感想を聞いてきた道場の先生が怖く、気を使って『面白かった』と答えてしまった」。体格差だけで勝っていた柔道は中学校に上がると通用しなくなり、後輩に負けた悔しさから「本気で頑張ってみよう」と決意。その努力が実り、高校、大学で全国大会優勝などを果たした。
東京五輪のエピソードも披露。試合前日の計量をクリア後におにぎりを28個食べて体重を戻しすぎてしまい当日の計量に選ばれて慌てたり、メダルの表裏を知らず裏面を掲げて記念撮影に臨んでしまった失敗談も。大会後は目標だった金メダリストになって燃え尽きたものの、負け続けるのが嫌でパリ五輪を目指して再起したという。最後にウルフさんは「自分の本心に耳を傾け、いろいろなことに挑戦し、目標を持とう。一日一日をしっかりかみしめ、楽しみながら頑張ってほしい」と呼びかけた。
柔道の実演では、道着に身を包んで8人の代表児童に胸を貸した。体育館に敷かれたマットの上で、子どもたちがけがをしないよう、ゆっくり体を持ち上げたり、投げ技をかけたりして交流。「柔道以外の趣味は」「どんなトレーニングをしているの」といった質問にも笑顔で答えた。
組み手を体験した6年生の巻島光希さん(12)は「ウルフさんは脚の筋肉がすごくて、動かそうにもびくともしなかった」と強靭(きょうじん)な肉体に驚いた様子。同じ6年生の北島考太さん(12)は「目標を立てて生きようという話が印象に残った。自分も頑張りたい」と話していた。










