出し子として特殊詐欺に関与したとして、埼玉県警組織犯罪対策（組対）3課と久喜署は17日、窃盗の疑いで、自称名古屋市中区新栄1丁目、飲食店従業員の男（27）を逮捕した。県警はJR久喜駅周辺からJR名古屋駅付近まで男を約6時間追跡し、走行する新幹線内で逮捕した。

　逮捕容疑は17日午前10時50分ごろから午前11時ごろの間、久喜市内のコンビニエンスストアに設置されたATMで、他人名義のキャッシュカードを使って3回にわたり、現金計50万円を引き出して窃取した疑い。「何も知らない」と容疑を否認している。

　同課によると、17日午前11時ごろ、久喜駅周辺で警戒していた警察官が、長袖ワイシャツにベストで厚着している男を発見。同日は久喜市の最高気温が35・9度を観測しており、不審に感じた警察官がタクシーでJR白岡駅に向かった男を追跡し、職務質問しようとしたところ応じなかったため、さらに追跡した。

　一方、防犯カメラなどから同時間帯に久喜市内で発生した特殊詐欺事件に関与した人物と、追跡していた男の特徴が似ていることが判明。犯行を特定して逮捕状を取得している間に約6時間にわたり追跡し続け、JR東京駅～名古屋駅間を走行する新幹線内で逮捕した。