埼玉新聞

 

特別支援学校を新設 県教委、八潮とふじみ野に整備 計400人程度を想定…校舎を増改築、受け入れ規模増加の想定も 通学区域も再編、一部生徒には転校のお願いも

  • 【役所】埼玉県庁=埼玉県さいたま市浦和区高砂

    埼玉県庁=さいたま市浦和区高砂

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 県教育委員会は、特別支援学校の児童生徒の増加に対応するため、県東部地域特別支援学校(仮称)と県西南部地域特別支援学校(仮称)を新設する。それぞれ、県立八潮高等学校の跡地(八潮市鶴ケ曽根)とふじみ野市立東台小学校の跡地(ふじみ野市大井)に整備。これで県内の県立特別支援学校(分校を含む)は計55校となる。県東部は2030年4月、西南部は29年4月の開校を予定し、計400人程度の受け入れを想定する。

 県教委によると、24年度の県内知的障害特別支援学校の児童生徒数は7270人(前年比277人増)と過去最多を更新。同年に行った推計では、27年には8034人まで増加することが予想されている。特に県南地域では、受け入れ規模に対し児童生徒数が上回る過密状況が、1353人まで増加する見込みだ。

 増加の要因について、県教育局特別支援教育課担当者によると、障害や特別支援教育に対する理解や認識が広く県民に知れ渡ったことなどが挙げられるという。

 県教委では、理科室などの特別教室を通常教室として利用するなど過密対策に取り組んできたが、現状を受けて3月に両校の新設に関する内容を含めた「県特別支援教育推進計画(25~27年度)」を策定。25年度の予算にも、2億854万円を計上し、計画を進めてきた。設置が進められている両校には、小学・中学・高等部(普通科)を設置。知的障害のある児童生徒が対象となる。跡地に現存する校舎などの施設を活用する予定で、スクールバスの転回スペースや駐車場、給食調理施設などに利用できるよう改修する。

 児童生徒数の推移や通学時間などを勘案し、周辺の特別支援学校の通学区域も再編するため、一部の生徒には学区の変更に伴い転校をお願いする場合もあるという。

 そのほか、県立和光南特別支援学校の校舎改築、県立川口特別支援学校の校舎増築で、計334人程度の受け入れ規模増加を想定する。13日の教育委員会で委員からは「ぜひ子供たちが使いやすいような形で工事していただければ」と意見が挙がった。

 同課の担当者は「受け入れ状況数などを見極めつつ特別支援学校の環境改善について検討を続けていく」と話した。

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