埼玉新聞

 

JR高麗川駅、新たに整備 東西通路など26年完成へ 工費33億6千万円は市33億円、JR6千万円負担

  • JR高麗川駅に整備される東西自由通路と新駅舎のイメージ図。手前側が西口(日高市提供)

  • 東西自由通路と新駅舎の整備に伴い解体されるJR高麗川駅=21日午後、日高市

 日高市とJR東日本は、八高線・川越線高麗川駅に東西自由通路を設置し新たに駅舎を整備することを決めた。これまで迂回(うかい)が必要とされてきた原宿や鹿山など駅東側の地区と、西口に位置する高麗川などの地区との往来の時間が短縮され、東口からの駅の利用も可能になる。2023年3月ごろに着工し、26年3月末の完成を目指す。1933年に運用が始まった現行の駅舎は解体される。

 谷ケ崎照雄市長は21日の定例会見で、自由通路と駅舎の整備について「日高市として長年の懸案だった」と述べ、駅周辺の土地活用を見据えたいとの考えを示した。

 高麗川駅は1日約7千人が乗降する市の玄関口。現行の駅舎は西口にのみ置かれている。駅の東西を往来する場合は歩行者と自転車のみが通行可能な南側の地下道か、北側の踏切までの500~600メートルを迂回する必要がある。

 市とJR東が計画している東西自由通路は、階段などを含めた長さが87・9メートル、幅3・5~4メートルで、地上からの高さ9・6メートルに設置する。駅構内を通る計5本の線路を渡す構造となる。

 新たに開設する東口には、乗用車が乗り入れることができるロータリーが設置される。市はアクセス向上を見据え、東側へ延びる市道の整備を進めている。

 総工費約33億6千万円のうち市が約33億円を、JR東が約6千万円をそれぞれ負担する。

 市は14年、東西自由通路と駅舎の整備に関する協議をJR東に申し入れた。実施設計を終えたことから両者はことし11月11日、整備に関する施行協定を締結した。

 現在の高麗川駅舎は赤色の屋根と白色の外壁からなる平屋建ての地上駅。市によると、自由通路と新たな駅舎について、現行駅舎の屋根をイメージした赤色を多く取り入れるとしている。階段の壁面には県産木材「西川材」を利用するほか、ガラスのデザインには市民にアンケートを行い、市を象徴する意匠を取り入れる方針という。

 八高線の開通に伴い開業した現行駅舎は、90年余りにわたって利用されてきた。解体作業は24年秋ごろになる見通し。同課の担当者は「JR東と協議を行った上で駅の看板などを保存したい」としている。

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