埼玉新聞

 

刃物男が逃走中と想定、熊谷で犯罪情報の伝達訓練 防災無線やメール配信サービス、注意促す手順を確認

  • 訓練で熊谷署から提供された犯罪情報を基に、パソコンでメルくまの文面を入力する熊谷市職員=29日午後、市役所

 熊谷市内で2015年9月、小学生の姉妹を含む6人が殺害された事件を受けて締結された「犯罪情報の住民提供等に関する協定」(熊谷モデル)に基づき、熊谷署と市、市自治会連合会は29日、犯罪情報の伝達訓練を行った。

 訓練は今年で4回目。「午後1時40分ごろ、熊谷駅北口付近で、刃物を持った男が女性からバッグを奪い逃走中」という強盗事件を想定して行われ、同署がファクスと電話で市に犯罪情報を提供。

 市安心安全課が関係各課に通達するとともに、防災行政無線や市のメール配信サービス「メルくま」を使って自治会関係者や学校に注意を促すまでの手順を確認した。

 同課の権田宣行課長は「今後も警察、自治会としっかり連携していきたい」と話し、同署の野口保祐署長は「今日の訓練結果を検証し、引き続き市民に対するスピーディーな情報提供に努めたい」とコメントした。

 前日の28日には、川崎市多摩区でスクールバスを待っていた児童らが刃物を持った男に襲われ、19人が死傷した。事件を受けて熊谷市教育委員会は、市内の小中学校45校に子どもたちの安全確保を徹底するよう通知した。

 市自治会連合会の岡部宣明会長(81)は「子どもたちの見守りを続ける中、事件が起きて驚いている。スクールガードなどの活動を増やしていきたい」と語った。

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