ウナギ弁当2500個が完売 さいたまで「浦和うなぎまつり」 あいにくの雨も炭火で焼かれた香ばしい匂いに誘われるように大勢の客 午前5時にすでに並ぶ人「熱がすごい」
ウナギ人気に天気は関係なし―。江戸時代から受け継がれる浦和のウナギの蒲(かば)焼きを知ってもらおうと、「さいたま市浦和うなぎまつり」が5月31日、浦和区のさいたま市役所東側広場・南側駐車場で開催された。あいにくの雨となったが、炭火で焼かれたウナギの香ばしい匂いに誘われるように大勢の人が足を運び、ウナギ弁当2500個が完売した。
今年で22回目。1食2千円のウナギ弁当は当日の混雑を避けるため、5月9日に引換券を事前販売し、1200食分は完売。まつり当日は予定していた1200食分に100食分を追加したが売り切れた。市内のウナギ料理店でつくる協同組合「浦和のうなぎを育てる会」事務局長の大森克敏さん(54)によると、大森さんが午前5時に来た時点ですでに3人並んでいたという。
大宮区の会社員川道利広さん(55)は今年1月に都内から引っ越して来て、初めて来場。当日販売券を求め、午前7時に妻とともに並んだ。実家が桜区だが、浦和のウナギを食べた記憶はないという。弁当を無事に4個手に入れ、「素朴な味がするイメージ。食べるのが楽しみです」と待ちきれない様子だった。
浦和区の大学2年生、宿輪章太さん(19)は母真理さん(58)と午前8時20分ごろ到着し、ギリギリのところで購入できた。「雨だったので油断していた。危なかった。熱がすごいですね」と苦笑い。つかみ取りに参加するなど、幼少期から毎年、このまつりを楽しみにしていたという。「やわらかいし、香ばしいし、食欲がそそられる。雨でも来ますよ。それぐらいおいしいです」と満面の笑みだった。
大森さんは「雨で心配したけど、本当に良かった。皆さんに助けられ、集まっていただけるイベントになったと実感し、ありがたい限り」と安堵(あんど)の表情。今後に向けては、大宮の盆栽や岩槻の人形などを挙げて「浦和のうなぎ単体だけではなく、ほかの伝統産業とも協力し合ってさいたま市を盛り上げていけるようなイベントができたら」と思いを膨らませた。










