埼玉新聞

 

いよいよ明日開業!花園アウトレット 「地域と共生、みんなが楽しい施設に」 非日常空間と日常使いを両立

  • 山岸正紀氏

 三菱地所・サイモン(東京都千代田区)が運営する「ふかや花園プレミアム・アウトレットモール」(深谷市黒田)が20日開業する。深谷市が進める関越自動車道・花園インターチェンジ(IC)拠点整備プロジェクトの一環で、周辺に情報発信や観光振興を担う市営施設「深谷テラスパーク」と、キユーピーが運営する「深谷テラス ヤサイな仲間たちファーム」が隣接。エリアは県北部最大規模の一大レジャー・観光拠点に生まれ変わる。開業を前に「地域との共生」を掲げる三菱地所・サイモンの山岸正紀社長に複数の付加価値が伴う新たなアウトレット像を聞いた。

■非日常空間

 ―10年ぶり、国内10カ所目のアウトレット誕生となる。ふかや花園の特長は。

 「他の施設にない大きな特長があると自負している。施設のデザインは今までとは異なり、地域との共生を全面に打ち出した。深谷ゆかりのれんがや埼玉北西部の緑豊かな自然をイメージさせる非常に洗練された非日常空間を今回、実現できたと思っている。『ショッピングだけでない楽しみ方をいかに提供できるか』を検討した中で、地元グルメも加わる飲食施設の充実や、深谷に本社を置く赤城乳業さんが製造販売するアイス『ガリガリ君』をモチーフにしたアトラクション施設、愛犬と共に滞在できるペットフレンドリーな環境なども用意した」

 「昼も夜も楽しめてショッピング以外の楽しみ方をさまざまな世代に提供できるのが、ふかや花園の最大の特長。もちろんアウトレットの持つ、国内外のブランドをリーズナブルにショッピングできるという基軸は崩していない。バランスの良いテナント誘致(137店舗)ができた。利便性のあるネットショッピングは伸びていくと思うが、リアルなショッピングでしか体験できない価値や、わくわくするような感覚をお客さまに提供できるよう、頑張っていく」

■好アクセス

 ―秩父鉄道ふかや花園駅に隣接しているのも強みだ。

 「他のアウトレットは鉄道から遠い施設がほとんどで、目の前(徒歩3分)にふかや花園駅があるのも大きな特長。多くの方々に公共交通機関でお越しいただきたい。車のない方々に行きやすいという点も訴求していきたい」

 ―エリアには4月に市営施設、5月にキユーピーの農業体験型施設がオープンした。相乗効果で「地域との共生」をどう進めていくのか。

 「深谷市さんやキユーピーさん、秩父鉄道さん、地元の方々を含めて地域をどう盛り上げていくか、協議会で練っている。深谷周辺は秩父や長瀞を含め魅力のある地域。私どもの施設をハブにして埼玉北西部の良さを再認識していただき、広域エリアで価値が上がれば、私どもの価値も一緒に上がっていく。地域に貢献できる施設になるよう、会社を挙げて取り組む」

 ―地元の経済、農業関係者の期待も大きい。地元住民の利用を見込み、アウトレット内にスーパーも入る。

 「地元の食材をどう使うかなど、地域との共生の具体例を示していきたい。また地元の皆さんに日常使っていただけるよう、初めてスーパーも入る。近くの方々にも日々、利用していただける施設を目指している。接客にも力を入れ、売り手も買い手も楽しい施設にしていきたい」

■山岸正紀(やまぎし・まさき)

 1985年三菱地所に入社。広報部長、生活産業不動産業務企画部長、執行役員などを歴任し、2019年4月から三菱地所・サイモン社長。栃木県出身。59歳。

ツイート シェア シェア