八潮の道路陥没、県が説明会 運転手の救出、工事概要など報告…臭気も年内をめどに改善する見通し 悪臭に苦しむ声や補償の仕方…住民らからは不満相次ぐ「今日もすごい臭い」「紳士的に情報公開を」
八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は17日、同市中央1丁目の市民文化会館「八潮メセナ」で事故現場周辺の住民や事業者を対象に工事説明会を開いた。参加者からは周辺の悪臭や工事中の補償などについて、不満の声が相次いだ。
県は周辺168世帯を対象に、17、18の2日間、同文化会館で4回に分けて説明会を開催。17日午前、1回目の説明会は報道陣にも公開された。説明会冒頭、吉田薫下水道局長が陳謝。「復旧工事の実施に当たり、皆さまの意見や要望を伺い、できるだけ速やかな復旧に努めたい」とあいさつした。
県は、説明会で1月28日の事故発生から、運転手の救出やトラックの引き上げなど、工事の概要の経緯を報告。今後の復旧工事の予定について説明した。
県は、破損した下水道管の仮復旧を12月までに終え、臭気も年内をめどに改善する見通しであることを報告。4車線の主要県道を年度内に暫定2車線で復旧するなど、工事の概要や目標とするスケジュールを示した。また、健康や家屋など被害があった住民を対象に、6月2~19日まで専用ダイヤルで個別相談会を実施するとした。
質疑応答で住民からは、悪臭に対する苦情や復旧工事のスケジュール、補償の仕方などについて質問が相次いだ。
事故現場近くに住む住民たちから「今日も(午前)2時くらいにすごい臭いがして起きた。寝られない状況」「臭いがなくなるのはいつか知りたい。健康被害が出ている」「風が強い日にはものすごい臭いがする」など日常生活で悪臭に苦しむ声が寄せられた。
補償については事故現場近くの事業者代表は「工事をやっている目の前の会社。車30台分くらい県に貸している。中に人がいるということで緊急事態として応援してきた。本来なら事前に契約する。紳士的に情報を公開してほしい」などと苦言を述べた。
事故直前、近くの新築の家に移り住んできたという30代夫婦は、2月に開かれた説明会で質問した内容に回答がなかったと、今回改めて説明会に参加した。「市道近くからも臭いがすると質問したが何の対応もない。洗濯も干せない。キッチンや洗面から臭いがすることもある。悪臭で新築の匂いを味わうことができなかった」と語った。










