埼玉新聞

 

「成長した姿を見せたい」 豪バレエ団15年ぶり日本公演、熊谷出身・渡辺さん出演 4歳から始めたバレエ、毎日5時間のレッスンも学業もおろそかにせず 16歳で渡豪

  • FMクマガヤに出演した渡辺綾さん(中央)=昨年12月24日、熊谷市

    FMクマガヤに出演した渡辺綾さん(中央)=昨年12月24日、熊谷市

  • 2023年の公演で「ドン・キホーテ」のキトリ役を務めた渡辺綾さん(オーストラリア・バレエ団提供)

    2023年の公演で「ドン・キホーテ」のキトリ役を務めた渡辺綾さん(オーストラリア・バレエ団提供)

  • FMクマガヤに出演した渡辺綾さん(中央)=昨年12月24日、熊谷市
  • 2023年の公演で「ドン・キホーテ」のキトリ役を務めた渡辺綾さん(オーストラリア・バレエ団提供)

 60年以上の歴史を持つ世界有数のクラシックバレエ団「オーストラリア・バレエ団」が30日から、都内で15年ぶりの来日公演を行う。キトリの友人役とキューピッド役で出演する熊谷市出身のバレエダンサー渡辺綾さん(27)は、「自分にしかできない踊りと表現力で見る人を魅了したい」と話している。

 渡辺さんは、4歳から母・明子さんの勧めで地元のバレエ教室に通い始めた。2006年に群馬県太田市の山本禮子バレエ団(山本理恵子代表)に移り、めきめきと上達、頭角を現した。

 小学3年から中学3年まで、学校が終わると、熊谷市の自宅から同バレエ団の教室へ毎日通い、約5時間のレッスン。学業もおろそかにせず、行き帰りの車中では頭にヘッドライトを付けて勉強したという。

 14年、第42回ローザンヌ国際バレエコンクール(スイス)でファイナリストに。決選後、海外のバレエスクール2校からスカラシップ(奨学金)のオファーが来た。18歳で在留資格の就労ビザを取る際は、英語も猛勉強。1年ごとの契約という厳しいバレエ団で努力を重ね、さまざまなことをクリアしてきた。

 バレエ団での1日は朝9時半、ウオーミングアップから始まる。途中、休憩時間にもピラティスや身体のメンテナンスをし、午後のレッスンに入る。午後6時半に終了、帰宅後もストレッチを欠かさない。食事は自炊し、「バランスの良い日本食で体形を維持している」と明かす。

 渡辺さんは、「ドン・キホーテは情熱的な恋物語です。特に今回の振り付けは一番難しいと言われています。10年越しで成長した部分を、皆さまに見せられたらうれしい」と、笑顔を見せた。

 公演は、6月1日までの4公演。時間やチケットなど詳しくは、日本舞台芸術振興会の公式ホームページへ。

■わたなべ・あや 熊谷市立熊谷南小学校、荒川中学校、群馬県の私立常磐高校体育コースバレエ専攻1年を経て、16歳で渡豪。現在、オーストラリア・バレエ団でソリストを務める。

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