埼玉新聞

 

道路陥没…引き上げられた遺体は成人男性、骨格などから判断 死亡に結び付く外傷なく死因不明 女児と花を手向けた母「悲しい」 事故の2日前に通った男性「自分が落ちても不思議ではなかった」

  • 献花台で事故現場に向かって手を合わせる人たち=3日午後、八潮市

    献花台で事故現場に向かって手を合わせる人たち=3日午後、八潮市

  • 事故現場で下水道管内の調査に向かう警察官や消防隊員=1日午前4時40分ごろ、八潮市中央2丁目

    事故現場で下水道管内の調査に向かう警察官や消防隊員=1日午前4時40分ごろ、八潮市中央2丁目

  • 献花台で事故現場に向かって手を合わせる人たち=3日午後、八潮市
  • 事故現場で下水道管内の調査に向かう警察官や消防隊員=1日午前4時40分ごろ、八潮市中央2丁目

 埼玉県八潮市で県道が陥没しトラックが転落した事故で、県は3日午前9時半ごろ、事故現場に近い八潮市中央1丁目の水道部入口交差点に献花台を設置した。訪れた人たちが花を手向け、事故現場に向かって手を合わせて被害者を悼んだ。

 看板が崩落した飲食店で高校時代にアルバイトをしていたという八潮市の石井美由さん(31)は、5歳と3歳の娘と共に献花に訪れ、「通学、通勤に使っていた道で、人ごとではなかった。悲しさと不安が続いていた」と沈み込んだ思いを口にした。

 八潮市緑町に住む60代の女性は事故の当日、付近の郵便局を利用した後に消防車やパトカーが何台も通り過ぎていく光景を目撃した。「娘や息子がいつも通っている道。現場の近くでは、家が傾いたという話も聞いている」と声を詰まらせた。

 千葉県松戸市から訪れた男性(59)は「よく通る道で、事故の2、3日前に通っていた。自分が落ちていても不思議ではなかった。日本全国で起こることで、難しいけれど対策をお願いしたい」と再発防止を望んだ。

 事故が起きた県道に面した場所で塗料の販売会社を経営する男性(83)は「事故前から近くで穴が開き、何カ所も舗装されていた。早急に工事を完了してもらいたい」と復旧への期待を込めた。

■司法解剖を実施、身元特定を急ぐ

 地上に搬出された男性運転手とみられる遺体について、県警は3日、司法解剖を実施したものの、現時点で死因が不明であると明らかにした。死亡に結び付く外傷はなく、骨格などから成人の男性であるとした。今後諸検査を実施するとともに、身元の特定を急ぐ。
 

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