埼玉新聞

 

「ボート池」復活へ 大宮公園の舟遊池、ボート営業に向けボランティアらと「池の水ぜんぶ抜く大作戦」実施

  • 「かい掘り」が予定されている大宮公園の舟遊池=22日午前、埼玉県さいたま市大宮区

 県は大宮公園(さいたま市大宮区)の舟遊池で11月に「かい掘り」を実施し、2000年に終了した貸しボートの営業を再開する。12年ぶりに池の水を全て抜き、底を天日干しして水の浄化を行った後、23年度以降の営業再開を目指す。

 開園から130年以上が経過した同公園の再生を目的に、県が18年に策定した「大宮公園グランドデザイン」計画の一環。運動施設の老朽化や桜の木の衰弱などの課題の解決も図る。池周辺ではボートのほか、カフェや眺望スペースの設置などの活用方針が示されている。

 1934年に整備された舟遊池は、広さ約1万8千平方メートル。桜などの景観が楽しめることから同年に貸しボートの営業が始まったが、利用者の減少などを理由に営業を終了した。県公園スタジアム課は「周辺住民からボートの営業再開を望む声が多かった。池に活気をつくりたい」と期待を寄せる。

 ただ、池には現在、アオコなどが堆積し、水も濁っている。人を呼び込むには水の浄化だけでなく、護岸工事、桟橋の設置も必要になる。

 かい掘りでは、当日の作業のほか、数年にわたって継続的に活動に参加できるボランティアリーダーを約40人募集する。説明会と全5回の講習会への参加が必要で、県のホームページから申し込みができる。同課は「事前の講習など大変だが、長く関われる人に参加してほしい」と呼びかけている。

 公園をよく利用し、舟遊池のボートに乗ったことがある50代女性は「今は池の周りに人がいなくて寂しい。ボートの営業が再開して昔の風景が戻ってくるのが楽しみ」と話した。

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