埼玉新聞

 

明治、昭和へタイムトリップ 秩父の古民家3棟、趣ある宿泊施設に 地元食材利用のレストランも 5日開業

  • KOIKE・MIYATANI棟=26日、秩父市番場町

  • MARUJU棟=26日、秩父市宮側町

 分散型宿泊施設「NIPPONIA(ニッポニア)秩父 門前町」が5日、秩父市内に開業する。明治元年から昭和初期に建築された西武秩父駅周辺の古民家3棟が、趣の異なる計8室の宿泊施設と、レストラン・カフェに生まれ変わる。同市は今後、歴史的建造物の活用を通して秩父の魅力を発信し、新時代に合わせた観光地づくりと、地域経済活性化を目指す。

 同施設は、「KOIKE・MIYATANI棟」(同市番場町)と「MARUJU棟」(同市宮側町)の2棟で構成。KOIKE・MIYATANI棟は、登録有形文化財に指定されている「小池煙草店」(面積約113平方メートル)と、隣接する「宮谷履物店」(同約147平方メートル)を昭和の外観を残したまま再生し、三つの客室とカフェを併設した。

 MARUJU棟は、築約100年で2017年まで営業していた「マル十薬局」(同390平方メートル)を改修。フロントと五つの客室、秩父食材を取り入れた創作フレンチのレストランが備わっている。

 同施設の運営会社「秩父まちづくり」は、西武リアルティソリューションズ、三井住友ファイナンス&リース、NOTEの3企業と、秩父地域おもてなし観光公社が共同出資で設立。今後は市と連携しながら、秩父地域の歴史文化や暮らしを次世代に継承する、まちづくりを進めていく。

 開業セレモニーで、北堀篤秩父市長は「コロナ禍で観光需要が減少する中、情緒あふれる古民家の再生事業は意義のある取り組み。多くの企業と力を合わせて秩父全域で事業展開し、観光産業を盛り上げていきたい」と話した。

 予約受け付けは「NIPPONIA秩父 門前町」の予約サイト(https://nipponia-chichibu.jp/teaser/)で。

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