埼玉新聞

 

昨年はトラブル多発…タブレットで学力調査、埼玉県内8小中学校で予備実施 24年、紙からの移行目指す

  • CBT予備調査の動作確認を行う児童=6月15日、埼玉県朝霞市立朝霞第七小学校

 県教育局は県学力・学習状況調査を紙調査からタブレット端末での調査に移行するCBT(コンピューターを使った試験方式)化に向け、予備調査を6月1~28日に県内小中学校8校で実施した。児童生徒個人のテスト結果を継続して分析する「学力の伸び」測定の仕組みの構築などを検証。同局義務教育指導課によると、昨年度はサーバーからログアウトしてしまうケースが頻発したが本年度は数人にとどまり、テスト時間内に終了できたという。2024年度の全面CBT化を目指す。

 対象は県内の小学校4校、中学校4校の計約3千人。教科は小学4~6年生が国語、算数で、中学1年生は国語と数学、中学2、3年生は国語、数学、英語。そのほか、端末の利用状況などについての意識調査を行った。CBT調査では、問題の回答時間などが記録され、「学力の伸び」測定に関して紙調査より詳しいデータを収集することができる。また、テストの配送、回収など教職員の作業負担の軽減が期待できる。

 21年度に初めて県内小中学校9校で実施され、通信回線の負荷や自動採点の実施などについて検証した。業者のサーバーが不安定でログアウトしてしまう事態が複数起こったが、今回の調査で改善された。来年度の調査内容などについては、今回の結果を踏まえて局内で検証する。

 6月15日、朝霞市立朝霞第七小学校では4~6年生の約370人が参加。ログアウトしてしまう、フリーズして動かないなどの児童数人の報告があったものの、大きなトラブルはなかった。同校では調査前に事前の研修や接続の確認を実施。嶋徹校長は児童の様子について「端末の操作力の違いはあるものの、5、6年生は心配なくスムーズに実施できた」と話した。

 テストの結果は9月下旬をめどに学校に書面で返却される予定。

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