埼玉新聞

 

未来のため…小中学校を約半分に 宮代町が住民説明会 少子化、校舎の老朽化など見据え20年構想

  • 小中学校適正配置に向け町民に理解を求める町幹部=5日午前、町立須賀小学校体育館

 宮代町は5日までに、町内4カ所で、小中学校の適正配置に向けた住民説明会を実施した。今後20年かけ現在の小学校を4から3校へ、中学校を3から1校へと再編する構想を示した。

 同町は今後の少子化を見据え、建物の老朽化対策、計画的な公共施設整備を図るため適正配置を進める。新井康之町長は説明会で「町の子どもたちのために、教育環境をしっかりつくり上げていくことが重要」と住民に理解を求めた。

 町が掲げる構想は、20年を前後期に分け、現在の7小中学校を4校へと再編するもの。小学校は児童の通学環境、地域とつながりを考慮し4校から3校へ。2031年までに須賀、百間小を再整備し、42年までに笠原、東小を1校に再編する。中学校は32年以降、3校から1校に集約する。少人数化に伴い、学年1学級となることを避け「人間関係の広がりを大切にしたい」としている。

 説明会では町民から「通学の安全性に配慮してほしい」「将来も大切だが、現状を何とかしてほしい」などの声が上がった。

 構想は存続する須賀、百間小の再整備を優先。公民館など公共施設と一体的に整備し多機能化を図る。一方統廃合を伴う再編については「現時点で場所を含めて決まっていない」とし、32年以降に検討を先送りした形だ。

 町は適正配置に「20年」をかけ、慎重な姿勢を取る。計画そのものは16年に策定されたが、住民が反対し、議会が請願を採択した経緯がある。今回は築年数60年を迎える校舎があり、近隣で小中学校の統廃合が進む中、町は「待ったなし」の状況に直面している。

 説明会を終え町は「未来の子どもたちと地域のために、どのような小中学校をつくっていくか、町民と共に考えたい」としている。

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