埼玉新聞

 

3年ぶりに大凧あげ祭り 埼玉・春日部、無観客で開催 大凧は揚がらず…ため息も「開催できたことが成果」

  • 3年ぶりに行われた大凧あげ祭り=3日午後4時過ぎ、春日部市西宝珠花の江戸川河川敷

 春日部市の伝統行事で、新型コロナウイルスの影響で2年連続で中止されていた「大凧(おおだこ)あげ祭り」が3日、3年ぶりに市内の江戸川河川敷で行われた。

 大凧揚げは、初節句を祝う祭りで、地元で江戸時代から伝わる伝統行事。縦15メートル、横11メートル、重さ800キロの大凧を、上と下の二手に分かれて揚げる。大凧にはその年の世相を表す文字が描かれ、今年は「春日部」と「躍進」。新型コロナの影響で、昨年、一昨年は中止になっていた。例年は5月3日と5日に行われるが、今年は3日のみ無観客で行われた。

 午後から始まった大凧揚げは、風が吹かず「風待ち」が続いた。午後4時過ぎ、上、下それぞれ1度ずつ大凧揚げに挑んだが、いずれも揚がらず、引き手からため息が漏れた。

 庄和大凧文化保存会の川島栄会長は「揚がらなかったのは残念だが、180年の伝統を継承できた。この状況で開催できたことが何よりの成果」と話した。

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