埼玉新聞

 

秩父4高校の存続を要望 4高校と1市4町の意見交換会が発足、個別連携も 県教委は再編整備を検討

  • 署名した協定書を持つ(前列左から)皆野高校の松本英和校長、石木戸道也皆野町長、久喜邦康秩父市長、森真太郎小鹿野町長、小鹿野高校の浅見和義校長ら=秩父市役所

 秩父地域の県立高校4校(秩父、秩父農工科学、皆野、小鹿野)と1市4町との意見交換会が4月に発足したのに合わせ、皆野町と皆野高校、小鹿野町と小鹿野高校が、個別連携協定を締結した。

 県教育委員会は2029年4月までに県北部と秩父地域にある高校18校のうち、2~3校の再編整備を検討している。秩父地域全体で地元4校を存続させようと本格的に動きだした。

 現在の生徒数は皆野高校が102人で、小鹿野高校は209人。いずれも定員割れの状態が長く続いており、少子化の影響などで、秩父地域の県立高校4校の入学志願者は年々減少している。

 秩父市など1市4町で構成する「ちちぶ定住自立圏」の推進委員会は昨年10月、秩父地域の4校の存続に向けて取り組むことを確認。昨年12月には1市4町の連名で「秩父地域の県立高校4校の存続に関する要望書」を県教育委員会の小松弥生教育長に提出した。

 ちちぶ定住自立圏では今年3月、高校と連携した地域振興を新たな協定項目として追加。協定に基づき、4月に秩父地域の4校の校長と1市4町の首長が集まり、意見交換も行った。その中で皆野町と小鹿野町から個別連携協定締結の申し出があり、定住自立圏全体で応援することを確認。協定締結につながった。

 個別連携協定の締結式は秩父市役所で実施。皆野町の石木戸道也町長と皆野高校の松本英和校長、小鹿野町の森真太郎町長と小鹿野高校の浅見和義校長が協定書にサインした。

 皆野町と皆野高校、小鹿野町と小鹿野高校はこれまで以上に密接に連携し、町の発展や教育の振興に寄与することなどを目的としている。

 久喜邦康市長は「秩父地域の高校4校は立地、学科、学力レベルのバランスが取れ、地域の中で大きな役割を担っている。地域との関わり方や行政としての支援方法などについて今後議論し、相互の連携交流を深めるとともに、高校と連携した地域振興と高校のさらなる魅力化に向けた取り組みを行っていく」と話していた。

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