埼玉新聞

 

汚物入れを男性トイレに さいたま市、18施設に設置へ 病気で必要な人が…市「早い段階で検討進めたい」

  • さいたま市、男性トイレに「汚物入れ」設置へ

 公共施設の男性個室トイレのサニタリーボックス(汚物入れ)の設置について、15日のさいたま市議会常任委員会で質疑が行われた。市スポーツ文化局は文教委員会で、本年度中に設置すると答弁した。同局所管の12文化施設と6スポーツ施設の18施設に設置するとしている。

 市スポーツ振興課によると、これまでは18施設のうち2施設に設置されていた。昨年からの市議会での質疑などを経て、同課は「病気により必要とする人がいるということで、現場の状況を踏まえて設置を判断した」としている。

 市教育委員会は文教委員会で、検討を進めると答弁。市教委生涯学習振興課によると、図書館25施設、公民館60施設のうちそれぞれ1施設で設置されていた。同課は「早い段階で設置に向けた検討を進めていきたい」としている。

 市保健福祉局は保健福祉委員会で、「必要性は認識している」とした上で、施設ごとに状況が違うため、施設管理者に判断を要請していくと答弁した。市健康増進課によると、昨年8月の調査で、市有施設333施設のうち8施設が設置していた。同課は昨年12月、調査結果を各施設などに通知。「設置を検討する契機になった」としており、複数の施設が設置したり、設置を検討しているという。

 小川寿士市議と佐伯加寿美市議(いずれも民主改革)がそれぞれ質問した。

 男性個室トイレのサニタリーボックスの設置については、日本骨髄バンク評議員の大谷貴子さん=埼玉県加須市=が、本紙1月31日付の「月曜放談」で取り上げた。前立腺がんや膀胱(ぼうこう)がんの男性は治療後、尿漏れパッドが生活に欠かせず、外出先で捨てる場所を探しているとして、必要性を指摘した。

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