埼玉新聞

 

<積雪>埼玉は広範囲で影響、車の交通量減 観光地は雪化粧、休業の店も「まさかこんなに早く積もるとは」

  • 雪化粧し、風情ある姿となった忍城=10日午後0時45分、行田市本丸

 南岸低気圧や寒気の影響で、県内は10日、広範囲で雪が降った。駅利用者らは電車の遅延などに備えてゆとりを持って行動。観光地は雪化粧して訪れる人を楽しませていた。

 さいたま市浦和区のJR浦和駅では正午ごろ、小雨と湿っぽい雪が交互に降り、前日の予報を受けて長靴を履いている利用客も多く見られた。

 仕事で移動するために駅を訪れた20代女性は「いつもより時間に余裕を持って動いていたが、運休や遅延もなくてホッとした」と胸をなで下ろした。東京都内に買い物に行く途中だった60代女性は「いつ降ってもいいように」と、あらかじめ長靴を履いて外に出たという。同じく長靴を履いていた30代の女性は手にスニーカーを持っていた。「買い物で浦和に来たが、これから雪になりそうなので長靴を買った。これで安心」

 駅周辺には「雪のため臨時休業します」と書かれた貼り紙を掲出している飲食店もちらほら。百貨店の立体駐車場の警備員は「ここ数日と比較して車の交通量は3~4割ほどにとどまっている」とした。

 県内のマンション管理人をしている80代の男性は「今日は休みだったが、建物周辺に融雪剤をまくために急きょ出勤した」と話し「先月6日に降った雪の教訓で、あらかじめ対策できた」と笑顔で話した。

 秩父市中心部は午前5時すぎから雪が降り続け、同7時すぎには雪景色に様変わりした。

 秩父札所4番「金昌寺」(同市山田)の参道に並ぶ約1300体の石仏もゆっくりと雪をまとい、同寺の武藤貞一さん(81)は「まさか、こんなに早く積もるとは思わなかった」と、同9時ごろから雪かき作業に追われていた。境内で写真撮影を楽しんでいた同市の男性(75)は「昨年はまともな雪が降っていないから、久々の絶景を楽しめている」。

 行田市本丸の忍城も雪化粧した。人影は少なかったものの、傘を差しながら忍城を写真撮影する人も見受けられた。写真撮影していた同市在住の男性は「明日が心配なので、あまり積もらなければいい」と話していた。

ツイート シェア シェア