埼玉新聞

 

「Nゲージとガーデンパーク」24年5月オープンへ 人気の関水金属と鶴ケ島市が連携 全国でも珍しい試み

  • (仮称)Nゲージとガーデンパークの完成イメージ図(鶴ケ島市提供)

 鶴ケ島市は9日、鉄道模型メーカーの関水金属(本社・東京都新宿区)が同市鶴ケ丘に計画している新工場の建設予定地(約3万2千平方メートル)と、隣接する鶴ケ丘児童公園(約2400平方メートル)を2022年度から官民連携で一体的に整備し、24年5月をめどに新たな交流拠点「(仮称)Nゲージとガーデンパーク」をオープンさせる、と発表した。会見した斉藤芳久市長によると、行政と企業が連携して地域に開かれた工場と周辺の公園を整備する試みは、全国的にもまれだという。

 レール幅が9ミリの小型鉄道模型を「KATO(カトー)」のブランド名で製造し、精巧さが国内外で高い人気となっている関水金属は、鶴ケ島市富士見に工場があるため、14年度から市のふるさと納税の返礼品に採用されている。昨年1~12月は市全体の寄付額約2億2700万円のうち84・6%を占める約1億9200万円が同社製品を希望する額で、税収面でも大きく貢献。同社が鶴ケ丘に新工場建設を決めたことから、市は19年10月に同社と包括連携協定を締結し、一体となった整備計画作りを進めてきた。

 工場敷地の周辺には柵などを設けず、工場を取り囲むように児童公園と連続した英国庭園風の緑地空間を造成。1周約620メートルの線路を敷設し、蒸気機関車やディーゼル機関車の軽便鉄道車両をイベントの時などに走行させる。また、新工場内には常時公開される見学コースを設け、鉄道模型を走らせるジオラマの設置も検討されているという。

 児童公園の部分について、市は22年度当初予算に設計費500万円を計上する予定。設計分を含む整備費約1億5千万円のうち、市は計5千万円を拠出し、残りは関水金属が負担する。

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