埼玉新聞

 

伊藤愛真さんをメッセンジャーに 大型二輪車に乗る俳優が交通安全宣言 あす12月1日から冬の交通事故防止運動 埼玉県警、関越道の高坂SAで出発式 事故多発が懸念…年末に向け、警戒や啓発を強化

  • 出発式で服装・車両点検を行った県警の荻野長武交通部長(右手前)と伊藤愛真さん

    出発式で服装・車両点検を行った県警の荻野長武交通部長(右手前)と伊藤愛真さん=29日午後、東松山市の高坂サービスエリア

  • 出発式で服装・車両点検を行った県警の荻野長武交通部長(右手前)と伊藤愛真さん

 冬の交通事故防止運動が12月1日から14日まで実施される。県内の今年の交通事故死者数は、今月28日現在で前年同期比10人(9・4%)減の96人で、過去5年間と比べて最少ペースで推移している。特に人や車の動きが慌ただしくなり事故多発が懸念される年末にかけて事故が増加することもあるとして、県警は警戒や啓発を強化している。

 県警交通総務課によると、今年の交通事故死者を年代別でみると、65歳以上の高齢者は前年同期比11人減の44人で全体の45・8%を占める。状態別では歩行者が同3人減の37人と最多で、原付を含めたバイクが同7人減の25人。自転車が同5人減の16人だった。

 2019~23年の過去5年間に県内で発生した交通事故死者数(合計594人)の月別では、12月が69人で最も多い。同期間の人身事故件数(同8万8759件)でも12月が9821件で他の月に大差をつけて多く、死亡、人身事故ともに年末に向けて増加傾向にある。

 さらに、過去5年の12月の死者数を時間帯別でみると、午後4時~同6時が最多の11人で全体の約16%を占めた。日の入り前後の1時間を指す「薄暮時間帯」の死亡事故の多くが歩行者や自転車などで、車の運転手から見えづらいことが一因とみられる。

 11月からは自転車運転中に携帯電話を使用するなどの「ながら運転」や酒気帯び運転を罰則、厳罰化した改正道交法が施行された。

 同課は、年末時期には忘年会などで飲酒の機会が増えることが予想されるとして、「車や自転車を運転する際には歩行者や高齢者に優しい運転を心がけ、夜間に出歩く際には反射材を着用するなど事故に遭わない行動をお願いしたい」と呼びかけている。

■俳優の伊藤愛真さんメッセンジャーに高坂SAで出発式

 冬の交通事故防止運動を前に、県警は29日、関越自動車道の高坂サービスエリア(SA)で出発式を行った。県出身で俳優・モデルの伊藤愛真さんを交通安全メッセンジャーに迎え、年末の交通事故防止の徹底を図った。趣味がツーリングで、大型二輪車に乗るという伊藤さん。出発式で「私の生まれ育った埼玉県がもっと安全で安心に暮らせるまちとなるように、交通安全の大切さを皆さんに伝えていく」と交通安全宣言した。

 県警の荻野長武交通部長は冬の交通事故防止運動の重点事項を紹介し、「県内の交通事故は厳しい情勢が続いている。『安全は全てに優先する』を念頭に、重大な交通事故を防いでいきたい」とあいさつ。その後、荻野部長らは警察官の服装や車両を点検し、防止運動へ気を引き締めた。

 出発式後には関越道で高速隊と航空隊のヘリコプターによるパトロールを行い、あおり運転などの危険な運転をする車両の警戒に当たった。

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