埼玉新聞

 

初挑戦で合格 国家資格の難関試験を最年少で突破 夢膨らませる埼玉・和光の中3、母親も目を細める

  • 合格証を手に「将来は資格が生かせる仕事に就きたい」と話す清水良真さん=和光市内

 和光市在住の私立中学3年清水良真(りょうま)さん(15)が旅行のプロデュースやパックの販売など旅行代理店の運営に必要不可欠な国家資格「総合旅行業務取扱管理者」の2021年度試験に初挑戦し、合格した。同年度の受験者は7135人で合格者は1785人と合格率25%の難関試験を最年少で突破した。清水さんは「約半年間にわたり、専門学校に通い勉強に励んだ結果。本当にうれしい。将来はこの資格を活かした仕事に就きたい」と夢を膨らませている。

 同管理者試験は一般社団法人日本旅行業協会(高橋広行会長)主催で毎年1回行われている。年齢制限などの受験条件はない。

 受験科目は旅行業法の法律を問う「業法」と契約のシステムやルールを問う「約款」、国内の観光地の名称や地理、鉄道の運賃などを問う「国内旅行実務」、海外の観光地や地理、国際線の航空運賃、英語問題などの「海外旅行実務」の4科目。各科目の正答率60%で合格する。

 国内と海外の二つの実務科目は合格点をクリアすれば、翌年の試験は免除される。このため、2年連続で受験する受験者も少なくない。21年度の試験で初めて受験したのは2819人。このうち、清水さんを含めた合格者はわずか175人(6・2%)だけだった。

 清水さんは幼少のころから東北や中国地方、京都などの国内、サイパンやフィリピンなど海外の観光地を家族で訪れ、「知らないことを学べる」と旅行に魅入られた。中学校に入り、「旅行の仕事をしたい気持ちが強くなり、そのための資格を取ろうと考えた」と動機を説明する。

 昨年9月には、国内旅行だけに限定した国家資格「国内旅行業務取扱管理者」(一般社団法人全国旅行業協会主催)も受験し、合格している。「高校や大学でも多くの旅をして、将来の実務に役立つ知識を集めていきたい」と清水さん。

 母親の恵子さん(45)は「本人が熱心に勉強したことはもちろんだが、専門学校の先生や励ましてくれた友達のおかげでもあり、感謝しなくてはいけない。今後も好きな道を進んでほしい」と目を細める。

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