埼玉新聞

 

オートバイ界の草分け・ポップ吉村の足跡、「小鹿野バイクの森」に展示 世界初の開発、米殿堂入りの人生

  • 「伝承・ポップ吉村メモリアルコーナー」開設のテープカットを行う、ヨシムラジャパンの吉村不二雄社長、森真太郎小鹿野町長ら=27日午前9時半ごろ、小鹿野町般若の「小鹿野バイクの森」

 埼玉県小鹿野町般若の「小鹿野バイクの森」に27日、オートバイ部品メーカーヨシムラジャパン(神奈川県愛川町)創業者の故・吉村秀雄ゆかりの品々を展示する「伝承・ポップ吉村メモリアルコーナー」が開設された。愛称・ポップ吉村の歩みを紹介する施設は全国初。バイクで町おこしを進める同町に貢献したいと、同社の要望で実現した。

 ポップ吉村は福岡県出身。オートバイチューニング技術者として、世界で初めてバイク用の集合管を開発した。1960~80年代の耐久レースで数々の実績を残し、日本のモータースポーツの発展に寄与。本田技研工業創業者の本田宗一郎とならび、アメリカモーターサイクリスト協会の殿堂入りを果たしている。

 展示場は、バイクの森館内の2階フロアに設置。1983年の鈴鹿8耐でポールポジションを獲得したマシン「GSX1000」や、レースの功績をたたえた勲章、ポップ吉村の人生をたどった写真などが展示されている。

 この日のオープニングイベントには、ヨシムラジャパンの吉村不二雄社長らポップ吉村の親族や、森真太郎小鹿野町長らが出席し、開設を祝してテープカットを行った。

 吉村社長は「バイク弁当の販売やイベント開催などでバイク文化を広めている小鹿野町に、父の足跡を展示できるのはこの上ない喜び。ライダーの皆さまが楽しめるような場所にしたい」と話した。

 森町長は「オートバイ界の草分けである吉村さんと、国を代表するオートバイメーカーの展示をバイクの森で展開いただけたことをうれしく思う。これを契機に、ますますオートバイによる町おこし事業を民間団体の方たちと協力しながら進めていきたい」とあいさつした。

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