埼玉新聞

 

北本市長選、三宮氏が現職破り当選 前回三宮氏は現職支援も…市政に不満 現職の支援者、今回は三宮氏支援

  • 初当選を果たし、支持者から祝福される三宮幸雄氏(右)=21日午後11時19分、北本市中央の選挙事務所

 統一地方選の後半戦が21日、投開票された。いずれも現新の一騎打ちとなった行田・北本の2市長選と毛呂山町長選。行田市長選は、前市議で新人の石井直彦氏(75)が4選を目指した現職の工藤正司氏(68)を破り初当選した。

 北本市長選も、前市議で新人の三宮幸雄氏(68)が現職の現王園孝昭氏(72)を破り初当選。毛呂山町長選は、現職の井上健次氏(60)が新人の下田俊哉氏(65)を退け3選を決めた。

■3度目の挑戦「遅咲き」/北本市長選

 北本市長選は、前市議の新人三宮幸雄氏(68)が再選を目指した現職現王園孝昭氏(72)を退け初当選を果たした。

 北本市中央4丁目の事務所に当選の報が伝わると、駆け付けた支持者から大きな拍手と歓声が湧いた。三宮氏は「禍根を残すのか、希望を残すのかが市長選の争点」と主張していた。禍根の一つに、現市政が前市長名の入った庁舎の定礎石を外し、指摘後に戻した行為などを挙げた。

 支持者と万歳を三唱した三宮氏は「非常に厳しい選挙だった。勝因は市内をくまなく歩いて政策を訴えた結果だと思う。今回3度目の挑戦で、遅咲きだったかもしれない。この結果は時代の要請だと思う。しっかりと政策を実現したい」と抱負を述べた。

 昨年11月に現王園氏が出馬表明したのに対し、三宮氏は今年2月に立候補を表明し、現新一騎打ちの構図になった。三宮氏は「現市政には人口減少や財政危機に対する危機感が感じられない」などと批判し、刷新を求めた。

 前回の市長選では現王園氏を支援した三宮氏。しかし、「市民が主役になっていない」などとして、自身3度目となる市長選に出馬した。

 前回、現王園氏を支援した現職市議の多くが、今回は三宮氏を支援した。20日夜には市議候補と現職10人ほどが三宮氏の応援演説を行った。

 現王園氏は4年間の実績を強調したが、及ばなかった。

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