2019年10月31日(木)

平安時代の槍先と青銅製の鏡出土 全国初、竪穴住居跡から一緒に発見 羽生の遺跡、見学会で公開も

北尾崎北遺跡の竪穴住居跡から出土した平安時代の鉄製の槍先(下)と青銅製の鏡

 県埋蔵文化財調査事業団は30日、羽生市尾崎の北尾崎北遺跡の竪穴住居跡から、平安時代中期(10世紀代)の鉄製の槍(やり)先と青銅製の鏡が出土したと発表した。同事業団によると、槍先と鏡が竪穴住居跡から一緒に発見されたのは全国初。いずれも祭祀(さいし)に関わる遺物とみられる。

 北尾崎北遺跡は利根川右岸の自然堤防上にある。国の堤防強化対策に伴い、昨年10月から同事業団で発掘調査を開始。これまでに平安時代の集落と、中世の館跡や墓跡が見つかっている。

 同事業団によると、槍先と鏡は今年7月、調査範囲(約9千平方メートル)の中央付近に位置する平均的な大きさの竪穴住居跡(長さ4・5メートル、幅3メートル)の床面近くから、食器などの土器と共に出土した。

 槍先は全長36・2センチ、刃の長さ28センチ、重さ376・4グラム。中央が膨らんだ曲線を描く刃の形状などから特定した。柄の部分は見つかっていない。

 鏡は直径7・7センチ、縁の厚さ0・2センチ、重さ32・6グラム。文様は不鮮明だが、縁を8枚の花びらでかたどった「八稜鏡(はちりょうきょう)」と呼ばれる鏡で、上流階級の化粧道具や宗教的装飾に用いられていた。

 平安時代の槍先と八稜鏡が一緒に出土した例は、日光男体山山頂遺跡(栃木県)や大峰山山頂遺跡(奈良県)などの山岳信仰遺跡に限られている。

 同事業団は「この集落に祭祀を執り行ったり、祭器の保管を担う人物がいたことを物語る貴重な遺物」と説明。北尾崎北遺跡が川沿いに広がっていることから、「河川信仰に関係している可能性もある」と推測する。

 槍先と鏡は11月4日午前9時〜午後1時に開かれる北尾崎北遺跡の見学会で公開される。参加無料。事前予約不要。問い合わせは、県埋蔵文化財調査事業団(電話0493・39・5345)へ。

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