2021年12月10日(金)

走り屋の男、起こした悲劇「理不尽」…猛スピードで恐怖の飯能・国道299号 騒音暴走…すでに10人死亡

バイクの状態や騒音を検査する警察官ら=2021年6月13日午前0時40分ごろ、飯能市坂元の西武秩父線正丸駅駐車場。国道299号で取り締まり強化。

 飯能市で2018年10月、制限速度を89キロ超える約129キロで乗用車を運転して事故を起こし、3人を死傷させたとして、自動車運転処罰法違反(危険運転致死傷)などの罪に問われた会社員の男(34)の裁判員裁判の初公判がさいたま地裁(小池健治裁判長)で開かれ、男は「間違いありません」と起訴内容を認めた。

 起訴状などによると、男は18年10月19日、午前2時10分ごろ、飯能市平戸の国道299号を約129キロで走行し、カーブを曲がり切れずに対向車と正面衝突。対向車を運転していた男性=当時(23)=を死亡させ、助手席の男性=同(23)=と自車の助手席に乗っていた男性=同(20)=に骨折などの大けがを負わせたほか、同年4月20日には同市の国道299号で、乗用車を123キロで運転したとされる。

 死亡した男性と大学で同じ部活に所属し事件当日に助手席に乗っていた男性も出廷。現場付近が危険だと認識し、40キロにも満たない速度で走っていたとし「温厚で優しく誰からも好かれていた。あんないい人がなぜ、こういう形で亡くならければならないのか。理不尽だし許せない。なるべく重い処罰を望む」と訴えた。

■ローリング族、後絶たず

 飯能市や秩父市の国道299号を高速で走り抜ける集団は「ローリング族」と呼ばれ、住民が暴走行為や騒音に頭を悩ませている。県警も通報や事故の発生状況を受け、悪質な運転の取り締まりを強化している。

 県警交通総務課などによると、2016年から20年までの5年間、飯能市内の国道299号では今回の事故も含めて10件の交通死亡事故が発生し、10人が亡くなった。人身事故は341件、負傷者は492人だった。20年の人身事故と負傷者は、いずれも前年と比べて減少。新型コロナウイルスの感染拡大や外出自粛が影響したとみられる。

 一方、今年1〜3月、国道299号の暴走や騒音に関する110番は457件で、前年同期より194件多かった(秩父市内含む)。

 県警は移動式オービスを活用するなどして取り締まりを強化。交通指導課によると、今年1〜11月、飯能署と秩父署管内の国道299号で、道交法で摘発したのは前年同期より327件多い2158件。うち速度違反が307件増の1154件で半数以上を占めた。他に通行区分違反が23件、近接排気騒音が16件など。

 今回の事故では、被告の男が制限速度を約90キロ超えて走行。カーブを曲がり切れず対向車と衝突し、運転手の男性を死亡させた。男は過去に何度も現場の道路を走りに来ていたという。

 交通指導課は「悲惨な事故をなくすため、今後も取り締まりを続けていきたい。ドライバーには安全な運転を心掛けてほしい」としている。

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