2020年4月23日(木)

<新型肺炎>心の中で涙…開花前のバラ3千株を摘み取り バラの名所・与野公園、昨年は16万人が来園

バラが開花する前につぼみを摘み取る男性作業員ら=22日午前、さいたま市中央区本町西1丁目の与野公園のバラ園
与野公園のバラのせん定を市民に知らせる看板

 新型コロナウイルスの感染拡大を防止するため、さいたま市中央区の与野公園で22日、バラ園のバラ約3千株のせん定作業が始まった。同公園はバラの名所として知られ、多くの人が来園する恐れがあることから、公園を管理する市は、咲き始める前につぼみの段階で摘み取ることを決めた。

 造園業の男性(38)は「つぼみを一つ残す作業をしたことはあるが、全部刈り取るのは初めて。残念以外の何物でもない」。既に中止が決まっている「ばらまつり」に向けて、草取りなどの手入れを続けてきた。「ばらまつりがなくても咲かせたかった」としながら、「花は来年も咲きます。命の方が大事ですから」と黙々と作業を進めていた。

 中央区バラサポーター会長の井原正さん(65)は、手でつぼみを摘み取っていた。1株に数十個のつぼみを付ける種類もあるという。年間を通して大事に育てているだけに「憎っくきコロナ。咲く準備をして、さあ咲くぞというときに取っちゃう。心の中で涙を流してます」と話していた。

 毎年、同公園のバラを楽しみにしているという桜区の女性(63)は「すごく残念。自粛している人とそうでない人がいる。みんなが意識すればこんなことをしなくていいのに」と残念そうに話した。

 市南部都市・公園管理事務所などによると、与野公園のバラ園は約5500平方メートルの敷地に約180種、約3千株のバラが栽培されている。4月下旬から咲き始め、例年は5月中旬から下旬にかけて見頃を迎える。せん定作業は造園業者4〜8人やボランティアらが約1週間かけて行う。

 5月16、17日に開催予定だった「ばらまつり」は既に中止が決まっている。苗木の即売会やステージイベントが行われ、昨年は2日間で約16万人が訪れたという。

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