2020年3月30日(月)

<もっとさいたまにスポーツを1>ブロンコス再生の取り組みに挑戦 アリーナのコンテンツを獲得し育てる

池田純氏

 一般社団法人さいたまスポーツコミッション(SSC)の会長に就任して1年。スポーツで地域を活性化させる戦略について、模索を続けてきた。民間と行政の考え方の違いを痛感させられ、いろんな意見も頂いたが、皆さん、さいたまのスポーツに関心があり、このまちでは何かザワザワするものが求められているということが、スポーツビジネスに長く携わってきた私には感じられた1年だった。

 前にも言ったことだが、さいたまクリテリウムは昨年で7回目であり、単体で大きな収益を上げるのは難しい。さいたまの人たちがもっとスポーツを楽しみ、スポーツを愛するようになるには新しいことが必要だと思う。

 私は3月7日付で、バスケットボール男子Bリーグ3部(B3)の埼玉ブロンコスのオーナー兼取締役に就いた。SSCには経営を成り立たせる武器が必要だし、次世代型スポーツ施設(アリーナ)の整備を公約している清水勇人さいたま市長を支える意味でも、私にできるのはアリーナのコンテンツを獲得し育てることだ。

 具体的に何をすべきか考えていた時、ブロンコスのことを知った。名門で、昔はかなり期待されていたが、経営が苦しく、このままでは立ち行かなくなるという。チームの再建を依頼され、なぜ地元の人たちが救いの手を差し伸べないのかとも思ったが、いろいろ話を伺って経営が成り立っていない事情も分かった。

 驚いたのは、B3にもかかわらず非常に認知度が高いこと。ツイッターのフォロワーは1万人。実はさいたま市はミニバス(ミニバスケットボール)のチーム数が全国一。バスケ人口がすごく多い。

 オーナーになると、私に対する期待や要望をたくさん頂いた。ベイスターズの再生に取り掛かった8年前の横浜に似ている感じがする。当時も「チームが弱いから恥ずかしくて言えないが実はファン」という人が多かった。

 いろんな方々と話し、今のブロンコスはスポーツ好き、バスケ好きな市民の夢を背負いきれず、肩身の狭い立場であることが分かってきた。新チームを立ち上げる手もあったが、それではブロンコスと市民の期待を裏切ることになる。再生の取り組みに挑戦するしかないと決心した。

 現在、所沢がホームタウンだが、さいたまとダブルにするつもり。SSCとしてもビジネスの種(シーズ)を作っていかなければならない。新しいアリーナとコンテンツが両輪の武器になればクリテリウムも進化させられる。

 オーナーシップは私が持っているが、地元、さいたまの人たちに支えてもらうのが本来の姿。現在の状態からどう支えてもらえるかが肝だ。

 今回のことが居酒屋などで話題になれば大きな刺激が生まれ、ザワザワすると思う。サッカーに続く第二のスポーツが少しずつできていく。このまちはスポーツでだんだん元気になっていくはずだ。

 池田純氏がSSC会長に就任して1年。さいたま市で新たなステージに入った「スポーツのまちづくり」を語る。

■池田純(いけだ・じゅん)1976年横浜市生まれ。早大卒。住友商事、博報堂を経て2011年12月、株式会社横浜DeNAベイスターズの初代社長に就任、観客動員数、売り上げ拡大に実績を挙げた。16年10月の退任後はスポーツ庁参与などを歴任し、19年3月から現職。

購読申し込み 携帯サイト