埼玉新聞

 

<新型コロナ>お盆明けにも医療崩壊…大野知事が危機感 埼玉、全県民の100人に1人が感染した計算に

  • 埼玉県民の100人に1人が感染した計算に

 県内の新型コロナウイルス新規感染者累計が14日までに7万4千人を超えた。全県民(約734万人)のおよそ100人に1人が感染した計算だ。1日の新規感染者はこの1カ月で5倍以上に増加、病床使用率も7割に迫っている。感染力の強いデルタ株(インド株)の影響が大きいとみられる。自宅療養者も1万人を超えており、県は重症化防止に向けた「抗体カクテル療法」の導入を視野に入れるが、収束はなお見通せていない。

 「これ以上感染拡大し続ける場合、お盆明けの来週にも医療崩壊に直面する可能性が出てきている」。県の新型コロナ対策会議が開かれた13日、大野元裕知事は危機感を口にし、お盆期間の帰省や旅行の中止などを呼び掛けた。

 1カ月前に当たる7月15日時点の確保病床使用率は30・1%(503人/1666床)、うち重症は14・5%(24人/165床)だった。県内には「まん延防止等重点措置」が出され、さいたま、川口の2市を措置区域とした感染拡大防止策が行われていた。同日の県内の新規感染者は328人だった。

 だが県内の感染は急拡大に向かう。同22日の新規感染者は1月以来の500人超えとなる510人。同31日には初めて千人を超え1036人、8月13日は1696人と5倍以上に増加した。7月20日には同重点措置区域が県内20市町に拡大。これでも拡大傾向に歯止めはかからず、2日からは県内全域が対象の緊急事態宣言が出された。

 確保病床使用率も高まっている。13日時点では69・7%(1177人/1689床)、うち重症が64・9%(111人/171床)となっており、約1カ月で使用率、人数とも倍以上となった。重症者数は今月10日に102人となり、最多を更新した。7月15日時点のホテル療養は450人、自宅療養は471人。13日時点ではそれぞれ624人、1万3059人と大幅に増えている。

 県は今月6日、これまで保健所が実施してきた「積極的疫学調査」を縮小。行動歴をさかのぼり感染源を見つける業務を取りやめた。県保健医療政策課によると13日までに、庁内と市町村から最大133人の応援要員を県の13保健所に送り、発生届のあった翌日までに新規陽性者とのファーストコンタクトが取れる体制づくりを確保している。

 デルタ株は2~8日の1週間の陽性率が85・4%で、大多数が従来株から置き換わったとみられる。

 国が公開するワクチン接種状況によると、13日時点で県の1回接種率は35・47%、2回接種率が26・88%。65歳以上はそれぞれ88・64%、83・03%だ。

 県は新たに、重症化を防ぐ効果がある新治療薬の「抗体カクテル療法」の拠点整備を進める意向を示し、医療機関の逼迫(ひっぱく)を招く重症者の発生防止を目指すという。

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