埼玉新聞

 

<東京五輪>ボクシング並木月海、準決勝へ 花咲徳栄高出 入江の存在も刺激に 自分らしさ、楽しみに

  • No Picture
  • No Picture

 女子フライ級準々決勝で並木月海(自衛隊)=花咲徳栄高出=が2016年リオデジャネイロ五輪銅メダリストのバレンシア(コロンビア)に5―0で判定勝ちし、4日の準決勝に進んだ。3位決定戦がないため、フェザー級の入江聖奈(日体大)に続き、日本女子2人目のメダルが確定した。

■内容向上、最大の収穫

 勝ち名乗りを受け、メダルが確定した瞬間、女子フライ級の並木は「うるっともこなかった」と言う。「ほっとしたし、うれしかったけれど、目標はここではない。目指しているのは金メダル。通過点という気持ちが大きい」。花咲徳栄高で心技体を磨いたファイターは、準々決勝を突破しても平然としていた。

 リオデジャネイロ五輪銅メダリスト、バレンシアを全く問題にしなかった。開始のゴングから、自身の代名詞である華麗なステップワークで前後左右に体を揺らし、鋭く切り込み、左右の強烈なパンチを確実に当てた。

 1、2回戦も相手を圧倒していたが、「勝ちにこだわり過ぎていた。納得できるものではなかった」。確かに少し硬さがあったように見えた。それが「3戦目で吹っ切れた。自分らしいボクシングがしたいと思って、落とし込んだ」。明らかに切れ味の増したステップとパンチ。勝ち進むたびに内容が向上しているのが、最大の収穫だろう。

 並木は「この試合から自分がどんなボクシングができるのか、楽しみに変わった」とも言った。もともと減量を苦にするタイプではなく、中2日空くことで筋肉の疲労回復も見込め、体調もいいという。女子フェザー級で一足先に決勝進出を決めていた2学年下の入江の存在も刺激になる。

 まさに心身が最高潮の状態で、最終盤の戦いへと向かう。

ツイート シェア シェア