埼玉新聞

 

教育費、高校~大学で1073万円 埼玉の平均額、全国3位…大阪・東京に次ぐ多さ コロナで二極化の傾向

  • 教育費負担、高校から大学1073万円 平均額は埼玉3位

 日本政策金融公庫が発表した2020年度「教育費負担の実態調査結果」によると、埼玉県において高校入学から大学卒業まで子ども1人にかかる教育費用は、前年比59万4千円増の1073万8千円だった。全国平均額は965万1千円で7年連続で全国平均を超え、大阪府、東京都に次ぐ3番目の多さだった。担当者は「コロナ禍で授業のオンライン化に対応するパソコンなどの機材購入費や、その他の通信教育費がかさんだ」としている。

 首都圏では、東京都が1135万1千円、神奈川県は1034万1千円、千葉県は1050万7千円。

 教育費用のうち、高校3年間でかかる費用は348万8千円。その後の入学先別にみると、私立大学に入学した場合の累計金額は文系で1086万6千円、理系で1170万4千円、国公立大学では863万6千円だった。

 世帯収入に占める費用の割合は10%以上20%未満が32・6%と最も多く、10%未満が28・3%、20%以上30%未満が25・0%と続いた。

 費用の捻出方法は、「教育費以外の支出を削減している(節約)」が29・0%と最も多く、「預貯金や保険などを取り崩している」が22・0%、「在学者本人のアルバイト代」が19・0%。節約している主な支出は外食費が69・0%、旅行、レジャー費が65・5%、衣類購入費が44・8%だった。

 新型コロナによって子どもの進路に影響があった割合は14・1%。保護者自身の収入減が主な要因で「進学を諦めた」「自宅以外からの通学をやめ、自宅からの通学することとなった」などの回答が見受けられた。

 担当者は県における教育費について「他県と比較して学習塾や家庭教師など家庭教育費を多くかける傾向がある」とした上で、「前年比で増額しているものの、一方で自宅外通学者への仕送り額の減少や進学を諦めたというデータもあり、新型コロナの影響で二極化の傾向がみられる」と分析した。

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