埼玉新聞

 

ほっともっと、やよい軒の米に! 加須で米生産し、海外店に高品質・安定供給へ 海外店は年間1千トン使用

  • 県内屈指の稲作地帯の加須市で米生産を始める(加須市提供)

 持ち帰り弁当の「ほっともっと」や定食レストランの「やよい軒」展開のプレナスが、今年から埼玉県内で米生産を開始する。子会社の精米工場が近いことから県内を選定。土地を借り受けて生産し、海外で展開する店舗などに国産米を輸出。提供するごはんの品質を向上させ、ファン拡大につなげる。生産規模は生産に向けて支援した武蔵野銀行など関係機関と連携しながら順次拡大する。

 米作りは県内屈指の稲作地帯、加須市で始める。子会社の精米工場などが杉戸町にあり、近くで適した土地を探していた。同市北辻地区と今鉾地区で遊休農地など約2ヘクタールを借り受けた。生産する品種は検討中。ドローン(小型無人機)やロボットなど活用のスマート農業にも積極的に取り組む方針で、初年度は10トン程度の収穫を見込む。

 生産した米は海外9カ国・地域で展開する定食店「やよい軒」や持ち帰り弁当店「ほっともっと」で使う。海外店ではこれまで年間で1千トン使用し、現地調達もあるが品質の安定や調達コストが課題だった。国内から質の高い米を安定的に供給することで課題の改善を図る。

 同市での生産へ、松伏町で中堅ゼネコンの鉄建など運営のイチゴ農園の開業支援など実績がある武銀が連携した。昨年1月に県が開いた農業事業参入に関する催事で発表の内容やこれまでの取り組みをプレナス側が評価し、支援を求めたという。武銀では県などと連携し市内での土地や拠点兼倉庫の確保、生産者らとの調整や生産に向けた研修などに関するサポートを行ったという。

 プレナスは国内では既に産地などから協力を得て安定的な供給網は確保しているが、海外は今後、多くを自社生産で賄えるようにするほか、海外販路の拡大も狙う。そのため引き続き武銀などと連携し、同市内含め順次生産面積を拡大する方針だ。

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