埼玉新聞

 

意識不明…首にロープが絡まった男児 園児ら遊ぶ保育園の山、土木用のロープをくいにかけた保育士…16分後、異変に気付く じつは禁止されていたロープ遊び、その後なぜか園長や保育士ら不起訴に 男児は意識戻る

  • 男児が負傷した土山=2日午後5時半ごろ、埼玉県久喜市栗橋東

    男児が負傷した土山=2023年5月2日午後5時半ごろ、埼玉県久喜市栗橋東

  • 男児が負傷した土山=2日午後5時半ごろ、埼玉県久喜市栗橋東

 久喜市栗橋東2丁目の「なずなの森保育園」で昨年5月、園庭の遊具で遊んでいた男児=当時(3)=の首にロープが絡まり、一時意識不明となった事故で、今年1月に業務上過失傷害の疑いで書類送検された女性園長と保育士ら数人について、さいたま地検は28日、不起訴処分とした。処分理由は明らかにしていない。

■じつはロープ遊び禁止(以下、事故の詳細発表時の記事)

 久喜市の認可保育園「なずなの森保育園」で2023年5月、当時3歳の男児の首にロープが絡まり一時意識不明の重体になった事故で、市の検証委員会は1月18日、「保育士が園児を見守る際の連携が不足していた」とする報告書を発表した。

 報告書などによると、事故は昨年5月2日午前10時ごろ、児童たちが園内の築山周辺でロープを引っ張って遊び、保育士はけがをしないようロープをくいにかけて離れたが、16分後に倒れている男児を発見した。

 市は昨年8月に検証委を設置し、専門家5人が調査。報告書は、土木用のロープを使用する危険性について認識が不足していた▽ロープで遊ぶことを禁止する内容が保育士に周知されていなかった▽築山から離れる際に保育士同士の声がけがなかった―などの問題点を指摘した。ロープが巻き付いた経緯は特定できなかった。

 委員長を務めた増田まゆみ東京家政大学元教授は会見で「組織としての取り組みが十分ではなかった。子どもの命を確保した上で、主体性を重視することが大切」と述べた。

 答申を受けた梅田修一市長は「事故の再発防止に向けた取り組みを推進したい」、同園の奈良浩二理事長は「報告書を精査し再発防止に向け努力したい」とコメントした。

 園児は意識が回復し退院。現在は通院して加療を続けている。県警は今月4日、業務上過失傷害の疑いで園長、保育士らを書類送検した。
 

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